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宇都宮けんじブログ

週刊朝日「【築地市場移転延期】宇都宮健児が小池百合子の“決断”を分析」

築地問題について、『週刊朝日』(2016年9月16日号)で宇都宮けんじのコメントが紹介されました。

https://dot.asahi.com/wa/2016090600200.html

 

小池百合子新東京都知事(64)が勝負に出た。11月に予定されていた築地市場の移転を延期すると発表したのだ。7月の都知事選の告示直前に出馬を取りやめた宇都宮健児氏(69)は、かねて築地移転の問題点を指摘していた。小池氏の決断をどう見るのか。

(中略)

私たちは五輪は当初の計画から一寸たりとも変えてはならないと思い込まされていますが、そんなことはない。新国立競技場にしても当初、関係者は「8万人収容のスタジアムを国際オリンピック委員会(IOC)に約束してしまったから」とザハ・ハディド案に固執していましたが、建設費の膨張が批判されたら、結局は覆った。取り壊してしまった旧国立競技場を補修して席数を増やすなど、本来はもっとお金のかからない選択肢があったはずです。

同じように、仮に環状2号線が完成しないなら代替案を考えればいい。選手村との交通手段がなくなるなら、選手村の場所を変えるなど、柔軟な発想が必要です。築地市場を移転せず現地で再整備する可能性についても、再度検討してみるべきではないでしょうか。

豊洲新市場では仲卸の店舗が狭すぎたり、流通経路が分断されていたりと、使い勝手が問題視されています。これらの話は、都の役人など一部の人たちだけで計画を決め、肝心の仲卸業者の声を聞いてこなかったことが原因にある。小池氏には現場の声をよく聞いて、補修や修理で改善できる部分がないか、よく検討してほしい。土壌汚染問題できちんと安全宣言を出せるなら、新市場の使い勝手を改善した上で移転を実行する結論もあり得ると思います。

築地移転問題は、小池氏の政治的力量を測る試金石。ここで都議会など既存勢力と安易に妥協すれば求心力を失い、改革も頓挫してしまう。私は小池氏が掲げた「都民ファースト」という理念を評価しています。都知事として当然の姿勢ですが、最近の石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏、舛添要一氏には欠けていた部分だからです。今後も都民ファーストを貫いてほしい。