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宇都宮けんじブログ
築地市場豊洲移転の抜本的再検討をあらためて求める
本日、小池東京都知事が緊急記者会見を行ない、築地市場の移転先である豊洲市場について、水産卸棟などが建てられている地盤で、これまでの説明とは違い、4.5メートルの盛り土が実際にはなされていないことを公表した。
都は従来、汚染した土壌への対策として、「市場敷地の地盤を2メートル掘り下げ、その上に4.5メートル分の盛り土をした」と説明してきた。 実際は床下は深さ5メートルの空間になっているとのことである。
必要だとしていた汚染対策が実際にはなされていなかったのであるから、安全性の確保については評価以前の段階になったといえよう。地下が空洞となっている建物の構造的安全性も、そこで多くの関係者が働く場所であることから考えれば、決してゆるがせにできない問題である。
これまで都は土壌対策として850億円を超える税金を注ぎ込んできた。その中に、今回の盛り土にかかわるコストも含まれていたはずである。小池都知事の就任以前の問題であるが、都の税金の使い方、都民への説明のありかた、安全性への姿勢など、都行政の持つ多くの問題が浮き彫りになったといえる。
私たちは8月31日に「築地市場移転延期決定に対する声明」を公表し、「現在地再整備など抜本的な再検討を行うこと」などを求めたところであるが、今回の事態を受け、あらためて小池都知事に下記の点を求めたい。
- 市場移転の延期について、安全性の確保を再優先として、安易に解除しないこと。
- 土壌汚染対策にかかったコストが適正に執行されていたかどうかを全般にわたって精査し、不適切な支出があった場合には、返還請求も含めて対応していくこと。
- 築地現地での再整備を含めて、豊洲移転計画を抜本的に検討し直すこと。
希望のまち東京をつくる会会長 宇都宮健児