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宇都宮けんじブログ
The Huffington Post「小池百合子知事は都議会の妨害・抵抗を排除できるか 宇都宮健児氏に聞く都政の課題」
「The Huffington Post」(2016年8月6日配信)で、宇都宮けんじのインタビューが紹介されました。この記事は、「The Huffington Post『日本の市民運動はもっと利口になれ』宇都宮健児氏、都知事選を振り返る」 の続きです。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/05/how-will-koike-yuriko-do_n_11345188.html
(前略)
――小池新知事は選挙中に「都議会の闇」を強調しましたが、実際に思い当たる部分はありますか。
傍聴だけではわかりませんが、都議会は自民・公明の議員が6割を占めていますし、どうしても都議会の与党に配慮した政策を提言をせざるを得ないですよね。
ただ、舛添さんの政治とカネがあれだけ問題になって、自民も公明も含めて公用車や高額出張の問題を厳しく批判した。ところがそれをチェックする都議会自体が、リオ・オリンピックの視察に莫大な出張費を使って行くことを計画して、批判を受けて撤回しました。非常に豊かな財政があるから、職員も「それくらいは」と甘い考え方で慣らされている面がありますよね。しかしそういう費用を回せば、福祉、待機児童の問題を解決できる予算が出てくるわけです。
そもそも舛添さんの出張を了承しているのは都議会なんです。海外出張時の基準をオーバーする場合は人事委員会の確認を得なければいけないのに、そこは与党が関与できる立場なんですね。それを見逃してて、マスコミが大騒ぎしたら、とたんにそれに乗って知事を追及する。本来ならそういうチェックをいちばんやるべき議会がチェック機能を果たしていない。議会の問題は非常に大きいと私も思ったんですね。しかもこの高額出張費の問題は舛添さんだけじゃなくて、猪瀬さんもそうだったし、石原さんの時代から繰り返されている。本来は二元制で相互にチェックできないといけない知事と議会が石原さん以降、ずぶずぶになってきているんじゃないかなあ。
議会がチェック機能を果たしきれないので、私たちは第三者機関の行政監視オンブズマンのような、行政から独立した機関をつくって、住民の意見を聞いて透明化をはかるという提案をしています。アメリカのニューヨークには公益擁護官という、行政から独立した組織があるんですね。いろんな市民の意見を聞いて調査権限を持って提案もできるような。議会と市長から独立した機関です。小池さんは都政改革本部をつくって透明化を図るようですが、どういうメンバーでつくるのか。徹底的にやるかどうか。
いずれにせよ、小池さんが選挙戦で主張された政策や公約は整理して、ちゃんと実現するかどうか監視していこうと思っています。
(後略)