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宇都宮けんじブログ
第10回希望政策フォーラム「原発事故避難者に住まいと安心を!」いよいよ明日(1月21日)開催!
いま宇都宮けんじが、最も緊急で重要な課題と位置付けているものに「原発事故自主避難者への住宅提供」の打ち切り問題があります。移転先の目途のつかないまま退去勧告に追いつめられている避難者の方々。特に東京都では、都職員による威圧的な退去勧告が繰り返され、都議会でも問題になりました。
宇都宮けんじと希望のまち東京をつくる会は、昨年の都知事選直後の8月、小池新都知事と、都議会各会派へ手渡した「都が緊急に取り組むべき10の政策(その後政策を追加し12に)」の中でも、この避難者住宅問題について提言。その後小池都知事は、都営住宅の優先入居枠をそれまでの200戸に新たに100戸を追加されましたが、実際には、入居にあたっての収入や世帯条件が厳しいため、現在195世帯にしか斡旋できていないというのが現状です。
退去期限が刻々と迫っています。少しでも早く、この問題に対処していかねばなりません。一刻も早く、都がこの問題に具体的な対応策を行うこと。そして同時に、先行きが見えず不安な思いに押しつぶされそうになっている、避難者のみなさんを、わたしたちひとりひとりが、全力で支えていかなければなりません。
宇都宮けんじと希望のまち東京をつくる会が、都が直面するさまざまな問題を、当事者や現場をよく知る方々と共に考える「希望政策フォーラム」。その第10回「原発事故避難者に住まいと安心を!」では、原発事故避難者の中でも、特に切実に追い詰められている母子避難者の方々の取材をされてきたジャーナリストの吉田千亜さんをトークゲストにお迎えし、避難されている当事者の方からも直接お話をお聞きする貴重な機会をいただきました。
差し迫った状況の中、都が何をすべきなのか、そして私たちに何ができるのか、今すぐにでもできることはあるか、などを、共に考え、実践していく場にしていきたいと思います。都政を動かす世論の一助となっていただけるよう、多くのみなさまのご参加を心よりお待ちしております。
※ご参加予定の方は、当日できる小さなアクションを予定しておりますので、筆記用具をご持参ください。また、当日会場に来られない方も、SNSなどでこの問題についての情報の拡散にご協力くださいますようお願いいたします。
- 日 時:1月21日(土)18時〜20時(17時45分開場)
- 場 所:文京区民センター2A(東京都文京区本郷4-15-14)
- アクセス:地下鉄丸ノ内線・後楽園駅4a出口より徒歩5分、南北線・後楽園駅6番出口より徒歩3分、都営三田線・春日駅A2出口すぐ、JR水道橋駅東口より徒歩10分
- 資料代:500円(生活にお困りの方は減額、無料対応)
- ゲスト:吉田千亜(フリーライター)、避難当事者の方のお話(予定)
- 挨拶:宇都宮けんじ
- 詳細・会場地図はこちらをご確認ください
※託児やノートテイクなど対応いたします。事前にご連絡ください。
office@utsunomiyakenji.com
〜もっと知りたい方のために〜
原発事故による自主避難者の住宅提供打ち切り問題について知っておきたいこと
原発事故区域外避難者(自主避難者)の住宅無償提供が今年3月末で打ち切られる!
自主避難者の数は全国で約12200世帯。約3万人の避難者の方々が、3月末で今の住まいからの退去を迫られています。東京都は現在約2千名の自主避難者を受け入れています。これは新潟県や山形県への避難者の数を上回り、福島県からの避難先として最多となっています。わたしたちが都民としてこの問題に取り組む意味は非常に大きいと言えます。
住宅提供は、自主避難者にとって唯一の、そして最後の命綱
*自主避難者は「避難指定区域外避難者」として扱われているので、東電や国から住宅提供以外の補償を受けていません。福島県が原発事故後、災害救助法に基づく形で「みなし仮設住宅」として無償提供してきた住宅提供が、自主避難者にとっては、唯一の、そして最後の命綱です。東京都は都営住宅への優先入居枠を300戸設けていますが、国家公務員住宅や雇用促進住宅への入居者は、都営住宅へ応募できません。また、現在都営住宅へ避難されている方々にとっても、収入要件や同居要件が厳しかったり、応募できないケースが多く、300の優先枠があっても、実際には195世帯しか応募がないのが現状です。
望まず住まいを追われる体験を、二度と原発事故避難者にさせないで
*原発事故の影響で、長く暮らしてきた故郷の家やコミュニティを置いて、避難してきた方たち。望んで、これまでの暮らしを捨てて避難してきたわけではありません。それでも、この6年、避難先でゆっくりと培ったコミュニティに励まされ、その地でつながりを持って生活してきました。そして今、再び、望まず、暮らしの場を去ることを強いられています。引っ越し費用や新居の家賃負担など経済的な負担だけではなく、子どもの転校やコミュニティの分断など、「命のつながり」もまた再び絶たれようとしているのです。
「6年もたつのに甘えるな」 誤解と偏見に基づいた威圧的な退去勧告
*毎日新聞(1月17日報道)によると、福島県への帰還を希望または決意した方はわずか2割。6割が避難の継続を望んでいます。強制送還を彷彿とさせる退去期限が刻々と迫るなか、移転先の目途のつかないまま退去勧告に追いつめられている避難者の方々が多くいます。退去勧告のため避難者宅を個別訪問する都職員の中には、恫喝とも取れるような威圧的な態度で問い詰める者もいて、避難者さんたちを不安な気持ちにさせています。
避難の実態は千差万別
避難者の方々の中には、難先で仕事を始め、自力で生活再建を果たしている方もいらっしゃいますが、ご病気の方、ご高齢の方、その介護をされている方など、避難先での生活維持自体が大変な様々な事情を抱えた方々に、今後発生する首都圏の高い家賃が大きな重荷となっています。これは、他県にはない、東京都周辺ならではの大きな課題です。自主避難者の5割が母子避難だと言われています。一人親もしくは夫を福島に残しての二重生活は精神的にも経済的にも負担がとりわけ大きく、継続的な支援は不可欠です。
東京都への自主避難者は全国最多/他都道府県の対応
北海道、山形県、鳥取県、愛媛県、京都府、奈良県、山形県米沢市、三重県伊勢市、兵庫県篠山市、大阪府宝塚市、鳥取県鳥取市・米子市などが、公営住宅の無償提供延長の決定をしています。また、公営住宅の優先入居枠を設けるなどの対応を行っている自治体もありますが、東京と同様、入居要件の厳しさなどから、応募や入居は全体で25%程度にとどまっています。一方で、新潟県などは、宅建協会に対し、民間の借上げ住宅に避難されている方が今後も同じ住宅に住み続けようとする場合、礼金や敷金をとらないように要請しています。これは、避難当初に県が敷金等を払っているので、改めて請求しないようにとの配慮によるものです。他の大半の自治体では、費用の発生しないこうした対応すら行えていないのが現状です。
小池都知事の対応
小池都知事は昨年12月20日の内堀福島県知事との会談で、「引き続きできるだけ多くの方々がお住い頂けるような制度にしていきたい」との意向を明らかにしました。今後出される具体策が注目されています。東京都と同じく県営住宅の優先枠を準備した埼玉県では、条例改正で(収入要件、同居要件の撤廃)を行い、自主避難者がだれでも応募できるようにしました。また、県の管理以外の市町村議会、宅建協会にも「県の方針」を伝え、追い出しをできるだけしないよう通知。新潟県同様、敷金礼金についても言及しています。
阪神淡路大震災では20年の支援
阪神淡路大震災の際には、支援延長を訴える多くの声に押され、20年間に渡って公的支援が続けられ、一昨年2015年に終了しました。その際の運動や運動の理念について、2017年1月6日の神戸新聞の社説簡潔に紹介されていますのでご覧ください。
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201701/0009806033.shtml
メディアによる報道の活発化
自主避難者に関する昨年のメディア報道はいじめ問題を中心に過熱しましたが、今年に入って制度的な限界や現状の支援策の問題点、避難者の精神的・経済的負担に関する迫るかなり具体的な報道が相次いでいます。いま改めて声をあげ、問題を可視化してできる限り世論に訴えていくことが非常に重要かつ効果を期待できるのではないかと思われます。
わたしたちの声が「世論」を作ります。新聞やテレビなどへのメール、投書など、この問題を少しでも多く知ってもらうための声をあげていきましょう。みなさんの力をぜひお貸しください!