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宇都宮けんじブログ

7月3日19:00 記者会見資料(小池都知事の回答を受けて)

この記事は記者会見開催時のものです。
公開質問から回答、緊急記者会見をまとめた最新記事をご覧ください。

小池都知事からの「新型コロナウイルス検査に関する公開質問」への回答を受けて

先ほど小池知事よりFAXで公開質問への回答がありました、それを受けて19:00より緊急記者会見を実施いたします。新型コロナウイルスに関する検査について、小池都知事からの回答と、記者会見で配布する資料「小池都知事による私の質問に対する回答の問題点」を公開いたします。

インターネット中継

記者会見の様子はリアルタイムでご覧いただけます。

小池都知事の回答

質問1

都は、新型コロナウイルス感染症が都内で初めて発生した1月以降、東京都健康安全研究センターの検査機器の整備や民間検査機関への委託等により、検査処理能力の増強に継続的に取り組んでいる。

3月上旬からは、PCR検査が保険適用となり、新型コロナ外来を設置する医療機関等でも民間検査機関を利用して検査を行うことが可能となり、都内の検査処理能力は拡大した。

また、都と、医療機関、保健所、検査機関等の関係者による検討の場を設け、より効率的に検査を実施できるよう、検査機関に関する情報共有を図っている。

質問2

「東京アラート」は、当時の指標の一つであった「週単位の陽性者増加比」が2に近い水準の中、新規感染者数が30を超えるなど、足元の感染者数の増加状況を踏まえ、都民・事業者に警戒を呼びかける観点から発動したものであり、その発動及び解除に当たっては、東京都新型コロナウイルス感染症対策審議会の専門家の方々からも妥当だという判断をいただいた上で行ったものである。

質問3

国は、PCR検査の対象者について、国内外の発生状況等を踏まえながら数次にわたり見直してきた。2月7日に発出された国の通知において、感染が強く疑われる場合には、より柔軟に検査を行うよう要請されたことを踏まえ、同月12日に、都と都内保健所において、感染が強く疑われる場合には検査を行うことを申し合わせた。
その後、同月27日の国の通知において、医師の総合的な判断により検査を実施することが示された際にも、改めて申し合わせを行った。各保健所では、こうした申し合わせに基づき、適切に検査を実施してきたものと考えている。

質問4

PCR検査体制に関する国の調査については、新型コロナ外来を設置する医療機関等や民間検査機関、保健所等の状況の確認が必要な事項が含まれていることから、これらの機関にご協力をいただきながら、取りまとめを行っている。

都では、多数の関係機関への確認作業が必要となるため、期間を要する旨は回にも説明し理解を得ている。全体の取りまとめ作業を速やかに進め、精査ができ次第、国に提出予定である。

質問5

都内のPCR検査処理能力は、現在、概ね3,100件まで確保されている。また、検体採取を担う、新型コロナ外来は102か所、地区医師会と連携して実施しているPCRセンターは31か所まで増えており、検査分析を行う民間検査機関の検査機器の整備に対しても支援を行っている。

さらに、新宿区では積極的疫学調査を進め、無症状の接触者にも積極的に検査を行い、陽性者を把握している。

また、都は、繁華街等への対策として、国や地元自治体・保健所、事業者の協力も得ながら、対応策の周知や検査の勧奨など多面的に対策に取り組んでいる。

質問6

新たなモニタリングは、感染症等の専門家の意見も踏まえ、「新規陽性者数」、「#7119における発熱等相談件数」、「新規陽性者における接触歴等不明者」、「検査の陽性率」、「救急医療の東京ルールの適用件数」、「入院患者数」、「重症患者数」の7項目を設定した。

都内の感染状況や匿療提供体制に関して、毎週、専門家の視点で科学的に分析していただくこととしたものであり、それを踏まえて、都の現状を総合的に判断することとしている。

質問7

保健所法の地域保健法への改正により、母子保健など、住民に身近で頻度の高い保健サービスは、市町村が担うこととされた。

この考え方に基づき、都は平成16年4月に、多摩地域の保健所を広域的・専門的・技術的拠点として再編整備を行った。

都は、市町村を支援するため、都保健所の機能強化を図っており、都保健所は、協議会の運営、訓練や研修会の実施などを行っている。

今後も、都保健所が関係機関と連携して的確に対応できるよう、必要な体制を確保していく。

質問8

3月6日及び19日付けで、国から新型コロナウイルス感染症の患者が大幅に増えた場合に備えた準備を行うよう各都道府県あてに通知が発出され、都もこれを踏まえ、国から示された計算式に従い、流行ビーク時における息者数等の想定を行った。

それに基づき、専門家からのご意見等も踏まえた上で、3月23日に開催した、第13回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、都としての医療提供体制に関する方針を決定した。

その中で、入院医療体制については、患者の重症度に応じて病床確保を行うこととし、当面、重篤・重症者用100床、中等症者用300床を確保し、ピーク時には重篤・重症者用700床、中等症用3,300床を確保することとした。

小池都知事からの回答

小池都知事による私の質問に対する回答の問題点

宇都宮けんじ

1. このグラフは検査能力が順次、継続的に伸びていったことを示すものではない。オリンピックの延期判断の時の前後でグラフに大きな落差がある。何らかの作為がないと、このようなグラフにはならない。この点が説明できていない。

2. 新規陽性者数が20人より多い、新規陽性者における接触不明率が50%より多い、週単位の陽性者数の増加が認められた場合には、規制緩和の基準を上回ってしまうため、東京アラートが発令されるとされていた。回答による30人は明らかに間違いである。
そして、6月11日およびその直前の時期がアラート発令基準を満たしていたことは発生届数から明らかである。

3. 具体的な弊害事例についての事実を踏まえた回答になっていない。「感染が強く疑われる」場合にしか検査しない方針は誤っていたし、このような限定的な方針によって、症状が深刻化しても、検査も受けられず、治療も受けることなく亡くなるという悲しい事例を生み出したのである。小池知事の回答には、なんら反省がない。

4. 多数の機関への確認作業が必要というが、6月19日までに提出を求められ、多くの基礎自治体が期限に間に合うように提出したものが取りまとめられて、提出できないことは遺憾である。都知事選挙の際の争点ともなる事項についての重要な調査であり、国の了解があったからと言って許される遅延ではない。争点隠しのために故意に遅延させた疑いすらある。

5. PCR検査能力が3100件しか確保されていないのは大問題である。検査能力の拡充に真剣に取り組んできたといえるか、疑問である。また、新宿区だけで積極的疫学調査をするのは恣意的である。夜の街で新規感染が多く発生しているというが、そこだけで調査を密にやっている結果であるかもしれない。昨日公表された感染者数107名の内62人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、45人は今のところ感染経路がわかっていない。29人はホストクラブやキャバクラ店の従業員や客などで、病院や施設内での感染が11人、家庭内での感染が9人、友人などとの会食を通じての感染が7人、職場内での感染が4人などとなっている。夜の街以外にも感染が拡大している。医療・介護・学校などで、感染拡大を防止することが重要である。医療従事者、介護・福祉・保育従事者、教職員を合わせると、約80万人の労働者が働いている。感染拡大防止のために「現場」が必要と判断した人に定期的に検査を行うとともに、これらの施設内で感染者が発生した場合は、関係者全員の検査をただちに実施し、特定の集団を差別扱いしないことを求める。

6. 新たな指標が総合判断の名のもとに、数値指標を外してしまったことの問題的の指摘には何も答えていない。結局行政の恣意的判断を許す指標となっているという批判に対する反論となっていない。

7. 医師削減の合理的理由が示されていない。多摩地域の保健所の再編整備が、保健所行政を弱めたという指摘に対して、何も具体的に答えていない。まったく無内容な回答である。

8. 小池知事は、3.6および3.19国の通知にもとづく患者数の想定(推計)をおこなったことを認めた。この点は、重要な点である。この推計内容とこれがいつ誰から小池知事に伝えられたかを明らかにしてほしい。