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宇都宮けんじブログ

7月3日16:00 記者会見資料

この記事は記者会見開催時のものです。
公開質問から回答、緊急記者会見をまとめた最新記事をご覧ください。

7月1日19:00より行った緊急記者会見で、新型コロナウイルスに関する検査について、小池都知事に対する公開質問を行いました。公開質問状の回答期限は3日15:00としており、16:00より記者会見を実施いたしました。記者会見の資料を公開いたします。なお、小池知事からは15:00すぎに電話連絡があり、17:00までに正式に回答するとのことでした。

インターネット中継

記者会見の様子はリアルタイムでご覧いただけます。

記者会見資料

小池知事の2020年7月2日付記者会見では
要警戒、準備と言いながら、「夜の街に行くな」以外に何ら具体策なし
あらためて検査の徹底と自粛を要請するときは十分な補償の確立を求める

宇都宮けんじ

第1 私が回答を求めた質問の回答について

1 私が回答を求めた質問については、回答期限の7月3日午後3時までを回答期限としていましたが、3時までには回答がありませんでした。小池都知事からは、午後5時までには必ず返事をするとの電話連絡がありました。

2 この回答については、回答後にもう一度会見を開き、その場で受け止めの意見を述べさせていただきます。ここでは、小池知事の2020年7月2日付記者会見における説明について、以下に、私の考えを明らかにし、都民の信を問いたいと考えます。

第2 7月1日付記者会見における小池知事の説明

1 小池知事による新指標とは

小池知事は東京アラートの数値指標を撤回し、これに代わって、感染状況と医療提供体制についての総合的な判断を行うという新指標を公表しています。そして、感染状況については新規陽性者数、新規陽性者における経路不明者の状況、医療提供体制については検査の陽性率や検査人数、そして、入院患者数を主な要素として設定しています。

「感染状況」は、新たな感染の確認や感染経路のわからない人の数や増加比率など、いくつかの項目を組み合わせ、地域別の状況も踏まえて総合的に分析することにしています。そのうえで、「総括コメント」として、

▼「感染が拡大していると思われる」、
▼「感染が拡大しつつあると思われる」、
▼「感染拡大の兆候があると思われる」、
▼「感染者数の増加が一定程度にとどまっていると思われる」

の4段階で発表されます。

また、「医療提供体制」は、入院患者や重症患者の数に加え、重症化しやすい高齢者の入院患者の数などの内訳も踏まえて分析するほか、病床の空き状況なども踏まえて総合的に分析することにしています。そのうえで、「総括コメント」として、

▼「体制がひっ迫していると思われる」、
▼「体制強化が必要であると思われる」、
▼「体制強化の準備が必要であると思われる」、
▼「通常の体制で対応可能であると思われる」

の4段階で発表されます。

2 数値基準なしの新指標

私は、1日に公表した質問状において、この新指標について、「これまでは、あなたは、曲がりなりにも、新規陽性患者数が週平均で20名を超える、感染経路の不明が半分以上などの数値基準を示していましたが、現状はこの基準を上回っています。にもかかわらず、何も対策を取らないことの言い訳に、数値的指標そのものを撤廃したものと言わざるを得ません。このようなやり方で、都として科学的根拠に基づく対策がどうしてとれるのかを説明してください。」と疑問を提起しました。

3 要警戒と言いながら、具体的な自粛要請はしない

昨日公表された感染者数107名の内62人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、45人は今のところ感染経路がわかっていません。29人はホストクラブやキャバクラ店の従業員や客などで、病院や施設内での感染が11人、家庭内での感染が9人、友人などとの会食を通じての感染が7人、職場内での感染が4人などとなっています。

小池都知事は最近の感染状況に関する専門家の大曲医師のコメントとして、接触歴など不明者の増加人数が7日間移動平均でみると27.1になっており、増加比で158.4。接触歴不明の新規陽性者は42パーセント。この状況が仮に4週間継続した場合に接触歴不明の新規陽性者が約6倍程度に拡大する、さらに4週間継続すると約40倍になる可能性がある。そのため4段階のうち、3段階目にあたる感染が拡大しつつある状況にあると思われるとし、要警戒だとしました。

まさにこのままの状況が続けば、感染爆発の危険性があるということであり、実効性のある緊急対策が必要な状況だといえます。

4 医療提供体制についてもひっ迫が始まっている

一方、医療提供体制については重症患者は減少しているが、入院患者数が増加傾向にあり、入院需要には若干のひっ迫がある。医療スタッフを含む病床の準備には相当の時間を要するとのことで、4段階のうち、2段階目に当たる体制強化の準備が必要とのコメントをいただいたと説明し、体制強化の準備が必要であると思われるとしました。

5 要警戒だが、具体的な自粛要請はしない

これらの専門家のコメントや分析を踏まえ、小池都知事は「感染拡大要警戒」の段階にあるとの都としての認識を示しましたが、コロナ特措法にもとづく自粛要請はしないとしました。そして、東京都として、具体的に示した対策は、新宿や池袋など接客を伴う夜の街の飲食店について「ガイドラインを遵守しているお店もある」としながらも「夜の街にはぜひともご注意を」と呼びかけました。

6 夜の街に責任を押し付けるのは、科学的根拠がない

しかし、夜の街だけで感染が発生しているわけではありません。このようないわゆる夜の街の感染数が多いのは、このような場所で働く人たちに集中的に検査が行われている結果である可能性もあり、夜の街を避ければ、感染しないですむわけではありません。

そして、夜の街で営業する事業者やそこで働く人々に対する十全な補償なしに、このような言動を繰り返すことは無責任とのそしりをまぬかれません。

第3 「コロナ緊急対策 宇都宮プラン」

1 すべての対策は、検査の抜本的な拡大が前提

⑴ 私は、すべての対策の前提として、東京都自身が目標に掲げた1日1万件のPCR検査体制を緊急に確立し、さらに検査を増やします。

現在1日平均1,500件程度、多くても2,000数百件程度で推移しているPCR検査を一気に1万件に引き上げ、早期に1日2万件の検査を実施します。

これに加え、新規入院患者(1日約4,700人)や救急搬送患者(1日平均約1,800件)のうち、発熱、咳などの症状がある患者等に対し、抗原検査を積極的に活用し、PCRと抗原検査を合わせて、1日3万件、1か月で100万件の検査を実施します。

⑵ 医療・介護・学校などで、感染拡大を防止することが重要です。

医療従事者、介護・福祉・保育従事者、教職員を合わせると、約80万人の労働者が働いています。感染拡大防止のために「現場」が必要と判断した人に定期的に検査を行うとともに、これらの施設内で感染者が発生した場合は、関係者全員の検査をただちに実施します。

このように、検査を徹底してこそ感染実態を確実に把握することができ、医療の崩壊を防ぎ、経済活動と感染拡大防止の両立を図ることが可能になります。

2 自粛・休業要請と補償をセットでおこなう

小池知事は会見で、「夜の街」への外出を控えるよう求めながら、その一方で、事業者に対しては注意して営業するように求めています。補償をしないという宣言のように聞こえます。

東京では、直近1週間の10万人あたり新規感染者数の推移が、6月29日までの1週間で2・61人となり、これ以降連日2・5人を超え、7月2日までの1週間では3・21人となっています。これは、政府の専門家会議が5月14日に出した「状況分析・提言」で示された外出自粛要請等の基準を超えています。

東京都は、ただちに政府や専門家と協議し、自粛・休業要請の必要性を判断するべきです。その上で、政府と都で徹底した補償を実施する必要があります。

東京都として、中小業者に対し固定費として月30万円を6か月間支給、学生への一律10万円、ひとり親家庭への一律20万円支給、国保料(税)の値下げ、文化芸術分野への支援などを実施し、都民の生活と事業者の営業を徹底的に守り抜きます。

以上