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宇都宮けんじブログ

宣伝行動(7月16・17日)ご報告

東京都知事選の熱気がまだ冷めやらぬ日7月16、17日、惜しくも選挙で次点だった宇都宮けんじが都政監視の場にさっそく戻ってまいりました。東京都の新型コロナ感染者数が連日記録的な数値を出している現在、小池都政に対する監視と要求は都民のみならず、国民全体にとって欠かすことができません。宇都宮も参加した三つの街宣を、希望のまち東京を作る会スタッフがレポートいたします。

都民要求大宣伝行動(7月16日)

東京都議会の臨時会が翌日に控えた7月16日、新宿西口にて「都民要求大宣伝行動」が行なわれました。今回の臨時会は、新型コロナの感染者数が急増している都の予算や計画を決める大事な場であり、都政の監視が必要不可欠です。以下、街頭演説を発言順にレポートいたします。
(※)動画撮影の不備により、都民連絡会議の森越初美さんのご発言はレポートできませんでした。この場を借りてお詫び申し上げます。

永山利和氏(呼びかけ人会議代表、日本大学名誉教授)

浜矩子氏(同志社大学教授)、五十嵐仁氏(法政大名誉教授)、小林節氏(慶応大名誉教授)と私が中心となって、市民と野党の共闘による都政の転換を目指す運動に500人を超える方が集まりました。都知事選は結果的に小池氏が再選しましたが、東京都の都政はなおも大きな課題を抱えています。東京都の保健所の規模縮小、学校教育や病院の問題、貧困対策、中小事業事業者への助成拡大など。選挙は終わりましたが、都政転換の課題はますます必要となっています。今後も都政の転換を引き続き要求する構えです。

昨年9月から呼びかけ人会議では野党すべての方に二回訴えを行い、共同候補を打診してきました。すでに宇都宮氏が立候補を表明していた6月3日には、国民民主党は自主投票となりましたが、野党共闘の候補を擁立することができました。もっとも、れいわ新撰組の山本太郎氏が独自で立候補し、残念ながら最良のかたちで共闘とはなりませんでした。しかし、この過程で多くの政党が21の選挙区で新たな共闘の形を確立することができました。選挙結果は残念なものでしたが、これは大変な財産です。東京の都政転換のために引き続き大きな力となることでしょう。

ところで、森友学園問題に関しては、財務省や元理財局長元の佐川氏に対する裁判が始まりました。実はこの問題には、大阪維新や橋下徹元代表の関与も疑われています。このなかで、東京の維新勢力(小野たいすけ候補)が61万票を獲得したことは警戒しなければなりません。

真に都民のため、国民本位のため、誤った方向に向かうのを正す必要があります。一つ一つの政策を論議し、市民と野党の共闘のこの遺産をより大きな力にしたい。そこから維新との対決を進めていくべきと考えています。

これからも都政転換のために、みなさまのご支援を賜りつつ全力を尽くしてまいります。以上をもちまして、私からの簡単なご報告といたします。

宇都宮けんじ(希望のまち東京をつくる会代表)

今回の都知事選は、都民ひとりひとりの生存権がかかった選挙だと訴えてきました。小池都政は有効なコロナ対策ができていません。東京アラートなども名ばかりであり、解除されたあとの方が感染者が広がる始末。都のコロナ患者感染者が連日記録を更新する現在も、有効な対策を打ち出せていません。

明日7月17日からの都議会ではこの点への徹底追及が必要だと思われますが、議題はそうなっていないように見えます。コロナ感染症から都民の命を守る。そのために休業自粛を求めるなら補償の徹底、そして医療の充実をすべきです。今の東京都の対応は極めてゆるいと言わざるを得ません。

私はPCR検査は一日二万件を目標にすべきと訴えてきましたが、その数値には到底及びません。東京都がずっと減らしてきた保健所の充実強化、そして都立公社病院の独法化中止とさらなる拡充をも主張してきました。都立公社病院は新型コロナ感染者の7割を受け入れてきた病院であり、都のコロナ対策の要です。これを絶対に独法化してはなりません。他方で、コロナ患者を受け入れた民間病院は経営が悪化しています。夏のボーナスカットに踏み切り、看護師が大量に退職を希望するという病院も出てきいます。

このような状況で都民の命と健康を本当に守れるのでしょうか。予算の組み替えや1兆円ある基金の利用などを通じて、もっと大規模な財政支援に都は踏み出すべきなのです。
他方、国は「GoToキャンペーン」を行おうとしていますが、それが今やるべきことなのでしょうか。たいへん憂慮すべき事態だと思っています。

また、品川や大田区の上空を通る羽田低空飛行問題では、飛行便が大幅減少しているのに、都はこの問題をいまだ放置しています。それは横田基地へのオスプレイ配備の問題も同様です。東京都として、住民の健康と安全を守るために国とかけあう必要があります。しかし、小池さんはやっている感を出すだけで、肝心な対策は何も行われていません。

選挙では惜しくも落選しましたが、期間中に打ち立てた政策課題には引き続き取り組み、候補者として皆さんと約束した公約を守りたいと思っています。そのために、皆さんと一緒に都政の監視に取り組んでいきたい。都議会傍聴がコロナのために規制されていますが、本当は傍聴させるべきです。危機の時期だからこそ、開かれた都政をつくるべきなのです。一都民として今後も活動を継続していくことを約束して、私からの挨拶といたします。みなさま一緒にがんばっていきましょう。

原田あきら都議会議員(日本共産党)

はじめに、宇都宮けんじさんの掲げた公約が実現されるよう、日本共産党都議団は引き続き臨時会のなかで戦うことを約束いたします。また、小池知事は都知事選期間にいくつもの公約を掲げていました。都政の場で知事が公約を本当に守るのか、きちんとチェックしていく次第です。

目下きわめて重大なのが新型コロナ対策の問題です。医療・検査体制の充実は小池都知事も掲げており、選挙前にはPCR検査数一日一万件を訴えていました。しかし、数ヶ月経っても、検査数の改善は一向に見られず、現在、感染者数の総体がまったく把握できていません。じつは、これらの対策は、国の特措法を受けて都がつくった「新型インフルエンザ等対策行動計画」にも書かれています。つまり、小池都政は自ら策定した対策を守っていないのです。

日本共産党は2月14日に屋形船での集団感染が確認された時点で、市中感染が新たな段階に入った可能性が高く、早急に対策を打つべきだと都議会で訴えてきました。ところが、五輪の延期が決定される3月24日までの一ヶ月間、小池都知事は何の対応をも取りませんでした。翌3月25日に「感染爆発重大局面」と宣言したところで、すでに医療現場は困窮しており、対応できずに救えなかった患者さんが出ている状態でした。失意のうちに亡くなられた方とご遺族の無念は察するに忍びないです。この方々は、都知事の再選を見て何を思ったのでしょうか。
ではこの間、小池都知事は何をしていたのでしょうか。医療検査体制を拡充させるどころか、新型コロナ対策費を削減しようとしていたのです。つまり、都立公社病院の独法化です。医療従事者の方々を筆頭とした現場の苦悩がまったく分かっていない。そう言わざるをえません。
また、2月上旬から共産党が提言していたにもかかわらず、東京都は4月の初めになってようやく感染症拡大防止協力金の給付を決めました。ところが、現実には給付は全事業者の3分の1にしか出されず、さらに事業者の選定もまったく恣意的なものでした。
以上のような問題は、明日から始まる3000億円を超える補正予算の審議でしっかり議論され、総括されるべきです。課題が山積するなか、都民の命とくらしを保証していくことを強く求めていきたいと思います。

都立公社病院独立行政法人化に反対する昼休み宣伝行動(7月17日)

7月17日、都立病院・公社病院の独立行政法人化に反対する昼休み宣伝行動が都庁前で行われました。東京都の新型コロナ医療の中心であった都立公社病院を独法化することはさまざまな弊害をもたらすと指摘されています。演説ではこの独法化の諸問題が様々な角度から議論されました。当日の演説のご様子を発言順にご紹介いたします。

宇都宮けんじ(希望のまち東京を作る会代表)

先の都知事選で当選はできませんでしたが、大きな政策課題を都民の皆さんと共有できたと思います。私は3つの重要課題を掲げて選挙戦を戦ってきました。

  1. コロナ感染拡大から都民いのちと健康を守り、補償を徹底
  2. カジノ誘致反対
  3. 都立病院・公社病院の独立行政法人化反対

都知事選の最中でも、都立公社病院や、すでに独法化された東京健康長寿医療センターを視察し、現場の方から独法化の問題点を教えていただきました。都立病院・公社病院は新型コロナ感染症患者の約7割を受け入れていました。新型コロナによって、都民の暮らしといのちを守る都立病院・公社病院の重要性というものがはっきり示されたと思います。

一般の民間病院はコロナ患者を受け入れると経営困難に陥ってしまいます。現に、いま民間の病院では経営危機で夏のボーナスカットがおき、大量の看護師が辞職を言い出すという問題が起きています。このため、コロナ対策では民間病院への財政支援も必要だと考えています。政府はGoToキャンペーンよりも、医療への支援を圧倒的に強化することが大事だと思います。

今回の都知事選で応援いただいた様々な政党からも独法化に反対する流れがでてきたことは、都知事選の大きな成果の一つだと思います。わたしは都知事選挙はひとつの運動ととらえているので、選挙が終わっても戦いは終わりません。引き続き、都議会をしっかり監視していきます。

都知事選で掲げた様々な公約はなおも課題として残っています。それらを解決するために運動を続けることは立候補したものの責任です。客観的な根拠をもとにして、小池都知事が独法化断念すること強く要求していきます。

藤田りょうこ都議会議員(日本共産党)

都立病院の充実連絡会の皆さんに、日本共産党都議団を代表して連帯の挨拶を申し上げます。

本日から臨時議会が始まります。国が第二次補正予算を作ったのを受けて、都が3100億円以上の予算をどう使うのかを決める大事な議会となります。東京都の姿勢は患者が増える中で見直しを迫られています。じっさい、都の新型コロナ感染者数は、都知事選の期間中から増えだしているのです。

都立公社病院の独法化という問題に関しては、都知事選と都議補選を通じて各野党の政策が一致できました。この点では、この選挙を通じて野党共闘がおおきく進んだと評価できます。まさに選挙は運動のひとつです。これからも野党共闘の力をさらに増やす取り組みを進めていきます。

日本共産党都議団は、都立病院の独法化がどうしてダメなのかということを追求していきます。小池都知事の言い分では、税金の使い方を柔軟にし経営状態を良くするというメリットがあるそうです。しかし、じっさいには、独法化すると多くの職員の雇用が正規から非正規に転換され、さらに人手不足で産婦人科や小児科といった必要な医療を保証することさせ難しくなってしまいます。また経営を良くすると言いますが、お隣の神奈川県では、独法化した神奈川県立病院機構は25億円の赤字を出しています。そして、この赤字は患者の負担増によって賄われているのです。独法化を正当化する根拠などないことは明らかです。

これから新型コロナが感染拡大していくなかで、東京都医師会からは新型コロナの患者さんを都立公社病院が積極的に受け入れることが強く望まれています。これは都立・公社病院だからできることなのです。ボーナスカットがあり、雇用が保証されない民間の病院では、職員は安心して働くこともできず、結果として医療を守ることもできません。

この状況にあって、私たちの使命とは、議会のなかで都立病院・公社病院を守り、さらに拡充させていくことだと確信しています。以上をもちまして、連帯の挨拶に代えさせていただきます。

本田宏医師(医療制度研究会)

埼玉から新型コロナを避けて車で運転してきました。私は20年近く医師不足と医療費の安さについて訴えてきました。これまで何度も言ってきましたた。〔拉致被害者家族連絡会の代表を長年と務めた〕横田滋さんくらいやってきたのに、私はまだ有名じゃないです(笑)

私が埼玉からはるばるやって来たのは、日本の医療の矛盾をみなさんに知っていただくためです。都立病院が仮に400億赤字を出すとしても、それは都の予算0.5%にすぎません。そもそも、医療というのは赤字になるようにできています。日本の医療費は先進国最低です。日本の胃がんや盲腸の手術30万円ですが、アメリカ・ヨーロッパでは100万くらいです。この医療費は国が公定価格で決めています。さらに日本の病院は、国が審査した薬や医療機器しか買えません。これが世界一高いのです。赤字になるの当然です。これはスリランカじゃなく正論(笑)

この高い医療費を削減するために医師数の抑制が行われています。日本の医師数はG7のなかで最低です。高齢化が進んでいるのにもかかわらず。そのせいで、コロナなどをみる感染症の専門家が少ないわけです。3~4000人は必要なのに半分しかいません。最低の医療費で最高の薬と器具。これが日本の医療の実態です。人手不足と慢性的な赤字で、いざというとき命が助けられるのでしょうか。ボーナスが出ないのも病院が悪いのではないのです。この仕組自体を変えなければ、早かれ遅かれ医療崩壊が起きてしまうでしょう。
新型コロナに立ち向かうことは、危機に瀕した医療を立て直すチャンスでもあります。都立病院を守る、医療を守る、医療費を上げる、国民負担を下げる、人手を増やす。すべてが大事なのです。どうもありがとうございました。

矢吹義則氏(東京自治労連)

東京自治労連は都庁や区役所・市役所で働く職員の労働組合です。自治労連としても都立病院独法化には反対の立場を取っています。

本日より臨時都議会がはじまります。都庁のなかでは組織改革が行われています。「健康安全部感染症対策課」を「感染症対策部」に格上げしようというのです。そこで各局から人をかき集めて100人程度増員しようというのですが、所詮は小手先の増員にすぎません。いま本当に大事なのは、コロナで奮闘する保健所と病院に重点的に人と予算をつぎ込むことです。

新型コロナ第一波の対応時には、保健所の職員のなかには200時間以上残業する方もいました。ところが、そのなかの誰ひとりとしてPCR検査を受けていません。当然、職員からは問題視する声が出ています。市中感染ひろがっているなか、この問題に取り組むことは急務です。

都立公社病院の独立行政法人化とは、2018年度3月に提出された改革計画です。このときは新型コロナ感染症などは想定外でした。したがって、この計画は根本から見直されるべきです。東京都医師会の副会長もいる経営委員会は、現場の窮状を踏まえて、病院や保健所を守るために予算を使い、人員配置を考え直すべきです。都としていのちと暮らしを守る必要があります。

ご存知でない方もいると思いますが、長崎の市立病院では、2014年に30歳の若い医師が過労で亡くなられました。84日間連続勤務し、月159時間の残業を強いられていました。これが独立法人化の結果です。というのも、独立行政法人は時間外労働の自己申告制を取っており、医師は自分の判断でいくらでも残業できてしまうからです。しかるに、独法化で現場の人員は削減されて慢性的に不足している。そのため、過労の状態に置かれる医師が構造的に出てきてしまうのです。

損害賠償の裁判が行われた際、実際この病院は長時間労働を是正することは困難だと述べました。そして、原告の訴えが認められたとき、病院側は控訴しました。しかしこの4月に長崎大学から来た医師に理事長が代わると、病院は地裁判決を受け入れて控訴を取り下げました。理事長の裁量ひとつで病院の方針が変わりうるわけです。

以上述べましたように、独法化すると病院の経営が最優先され、職員の待遇は悪化の一途をたどります。そして、議会によるチェックも機能しなくなってしまいます。こうした現場の窮状を都民のみなさまに広く知らせていくことが大切だと考えます。

千葉かよこ氏(都立病院看護師 都立駒込病院労組)

都立駒込病院では、ダイヤモンドプリンセス号の新型コロナ患者の入院を受け入れました。感染病棟の80床を約10倍の777床まで増やしました。こんなことができるのも都立病院だったからだと思います。

現場の看護師は防護を服を着て看護に取り組んでいます。医療用マスクはたいへん密着するものです。ですので、にこりとするのにも、隙間ができて感染しないかと考えて躊躇してしまいます。さらに、ガウンを着用すると非常に暑く、下着まで汗びっしょりになってしまいます。看護スタッフはこういう状況で一日中働いているのです。3つの病棟を閉鎖してまで、病院一丸となって新型コロナ感染症に取り組みました。(……途中音声の乱れ)

東京女子医大で職員のボーナスカットがあり、400人の職員が退職を希望していると報じられています。その気持ちは、同じ職業で働く者としてよくわかります。都立だから給料は出るので、まだ頑張れているのです。

こんなに懸命に働いている職員や患者さまの意見ほとんど反映せず、小池都知事は都立公社病院の独立行政法人化を決めてしまいました。これは許せるものではありません。これからもしっかりと独法化反対の運動をみなさまと続けていくつもりです。

菅谷正見氏(三多摩地域労連)

前の選挙で小池知事は三多摩格差ゼロと言いました。しかし、格差は全然縮まっていません。4千メートルの滑走路がある横田基地では、本格的に軍事訓練が開始されました。オスプレイがパーツ落とす、パラシュートを落とす、足ひれ落とす…など、トラブルが相次いでいます。しかも原因もよくわからない。人にあたったりでもしたら、一体どうなるのでしょうか。これをなくすのが三多摩格差の第一歩です。

格差は他にもあります。たとえば、三多摩には都営地下鉄がありません。都営バスもほとんどありません。町田などでは県境またぐバスが沢山ありますが、そうなるとシルバーパスが使えなくなってしまいます。日暮里舎人ライナーには使えるシルバーパスも、多摩都市モノレールでは使えません。

医療格差も深刻です。保健所は23区の各区には一つずつありますが、三多摩では市の保健所があるのは町田と八王子だけです。残り28の自治体はわずか5つの保健所でカバーしています。当然、職員は必死で働きますが手が回りません。市民の側でも、新型コロナの相談をどこにすべきなのか困り果てていました。

病院に関しても問題は深刻です。八王子の小児病院は統合されてしまいました。都は小児科や産婦人科の「スリム化」から手をつけています。いま日本は少子化に困っているのではなかったのでしょうか。このような削減はとうてい容認できるものではありません。

この厳しい状況にあって、府中にある都立病院と東村山に公社病院は、三多摩の医療にとって文字通り命綱です。これを独法化することは絶対に認められません。これを認めてしまうと、まず増える高齢者に対応できなくなります。たとえば、独法化をすると、差額ベッド代〔公的医療保険制度の適用範囲外で患者に請求される病室の費用〕が高くつき、多くの高齢者が利用できなくなってしまう恐れがあります。

三多摩労連では現在反対の署名を集めています。独法化反対、ともにがんばっていきましょう。

赤尾関恵子氏(都立病院の充実を求める連絡会 代表委員)

現在、感染者が急増している東京には本当は来たくない、でも仕事などで行かなければいけない。そういう人が現在非常に多いです。しかし、小池都知事はというと、テレビで感染者数を発表するだけで実際には何もしていません。その裏で、都立病院8箇所、公社病院6箇所の独法化が着々と進められているのです。

宇都宮さんが都知事選で問題提起をしたおかげで、すこしずつ空気が変わってきました。来週21日を前後に、都立公社病院では入院、外来の患者さんに独法化についてアンケートを取るようです。患者さんとその家族の世論を獲得しようとする意図が感じ取れます。

都立病院・公社病院の独法化に対して、これから反対の声をいっそう広げていきましょう。

東京都議会開会日行動(7月17日)

東京都議会の臨時会が開かれた7月17日に、都庁前にて「東京都議会開会日行動」が行なわれました。新型コロナの感染が止まらないなかで、いのちと暮らしを守る都議会になるのかどうか。小池都知事が都民の訴えに真摯に耳を傾けて、望ましい都政を実現していくのかどうか。悪天候にもかかわらず熱の入った演説を、希望のまち東京を作る会のスタッフがレポートしました。

宇都宮けんじ(希望のまち東京をつくる会代表)

都知事選では皆様からの心強いご支援、温かいご支援をありがとうございました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。

先の都知事選で、私はコロナ感染症拡大に伴う政府や東京都の自粛休業要請により多くの都民が仕事や住まいを失い、営業継続が困難となり、命や生活が脅かされている。したがって、この選挙は一人ひとりの生存権がかかった選挙だと強調してきました。そのなかで3つの緊急課題を訴えてきました。テレビ討論が行われず、コロナ感染症の予防をしつつ、制約のある中での選挙選でしたが、私たちの掲げた政策は徐々に都民や一緒に戦った野党の皆さんにも浸透していったのではないかと思います

私が掲げた3つの緊急課題は以下のとおりです。

1. コロナ感染症の拡大から都民の命や健康を守るための医療体制の充実、および自粛や休業要請に伴う補償の徹底。

これには、①PCR検査体制を抜本的に強化する、②東京都が削減してきた保健所を充実強化する、③医療従事者に対する財政支援を強化する、といったことが含まれます。

2. 都立病院・公社病院の独立行政法人化に反対する、むしろこれらの病院は充実強化する。

コロナ感染症が広まるなか、都立病院・公社病院がもつ重要性が広く理解されたのではないでしょうか。これらの病院はコロナ感染症の防波堤である、一番多くの患者を受け入れています。

昨年12月の都議会で、小池知事は所信表明でこれらの病院の独立行政法人化という方針を示しました。私は当然、コロナ禍の中で撤回されると思っていましたが、小池知事は未だに撤回していません。私は都民の皆さんとともに、この方針の撤回を求めていく運動をもっと強化すべきと考えています。昨日(7月16日)の都内のコロナ感染者は286人と過去最多でした。これから感染症対策はさらに重要になっていきます。ただ残念ながら、小池知事は感染者数を発表するだけで、具体的な対策はほとんど発表されていません。東京アラートを解除した後、感染者増加を放置して、全くの無策です。今こそ感染者増加をくい止めるため、PCR検査体制の抜本的拡充や保健所の充実強化、そして都立病院・公社病院の充実強化が求められています。

3. カジノ誘致中止

江東区の青海地区がカジノ誘致の候補地になっています。江東区では早い段階からこの問題に声が上がり、私は都民の皆さんと一緒に反対運動をやってきました。

カジノとは敗者の犠牲の上に成り立つ商売です。海外のカジノでは多くの人が利用して、自殺が増加し、一家離散、多重債務者、犯罪が増加し、子供の教育環境にも悪影響を与えています。カジノを利用して経済の活性化を図るということは、私は政治家として禁じ手だと思います。小池知事は選挙戦で誘致に対する立場を明言せず、今はメリット・デメリットを考えているところだと発言するのみでした。しかし、誰が考えてもカジノは問題が多すぎます。都議会でも明確に誘致しないと宣言すべきです。私は断念させるまで江東区民の皆さんと一緒にカジノ反対運動を続ける覚悟です。

私は様々な政策課題を掲げて都知事選を戦いました。選挙は終わりましたが、都民の皆さんに約束した課題について実現するように運動を続けていくのは、候補者となったものの使命、責任だと思っています。皆さんと一緒になって、これからも都知事選で掲げた課題が実現できるよう、全力をあげて頑張っていきたいと思います。一緒になって頑張っていきましょう。改めて選挙戦ではご支援ありがとうございました。

西沢けいた東京都議会議員(立憲民主党)

都知事選挙の結果は残念でしたが、コロナ禍において東京都のリーダーが取るべき立場を明確にできた選挙選でした。これから都議会の臨時会が開かれ、また小池知事の所信表明があります。小池知事は表に出る機会が減りトーンダウンしているのではないか。何を考えているのか、しっかりと見極めないといけません。

都知事選が終わっても、こうして皆さんの前で訴えを続ける候補者は宇都宮さんしかいません。今回の都知事選候補者のうち、これほど都政に関心を持ち、都政を勉強して、都民の立場に立ったのは宇都宮けんじさんだけです。結果は残念でしたが、この経験はこれから活かしていく必要があります。

都議会では補正予算について、都の独自の部分で規模は3100億円と小さいのですが、これをどのように執行していくのか見ていきます。いま東京都の感染者は全国の中で非常に多くなっています。この状況にどのように対応していくのか。PCR検査数を増やしていると言っていましたが、都知事選が終わり、目立つ機会がなくなったら何もしない、ということは絶対にさせてはいけません。

そして今まで、少なくとも東京アラートでさえ客観的な数字が指標になっていました。今はそれさえもありません。感染者に若者が多く、重症者が少ないから医療は逼迫しないと言いますが、今月や来月には高齢者の方々も含めて感染者が爆発的に増えるでしょう。そうなったら考えます、というのが今の東京都です。おかしいのは明らかです。

この選挙選で学んだことが多くあります。都民の皆さまと訴えてきたことを、これからは議会でしっかりと訴えていくことをお約束いたします。ともに頑張りましょう。

日本共産党 里吉ゆみ 東京都議会議員

都議団を代表して一言申し上げさせていただきます。今回の都知事選、本当に悔しい結果になりました。しかし、都知事とはどういう人がやるべきか、どういう政策を打ち立てるべきか、その分かりやすい姿を宇都宮さんは示してくれました。そして、都民の声を隅々まで聞いて、きちんと目配りをして、ひとつひとつ取り上げて政策を作ると、こんなに素晴らしい政策ができるんだ、ということを示してくれました。

宇都宮さんのお人柄も政策も本当に素晴らしかった。だからこそ、私たちは色々な団体、個人、政党が心をひとつにして戦えました。こんなに言葉だけでなく本当に心をひとつにして戦えたことは今までありません。これは、来年の都議選もそうですが、いつ起きてもおかしくない総選挙でも、私たちの要求実現に向けた大きな財産となります。

一方、小池知事はどうでしょう。今回の臨時会では小池知事は所信表明演説をしますが、私たちの質問に答える機会はひとつもありません。本当に情けないとしか言いようがありません。そして、選挙の前にはお金をたくさん使ってパフォーマンスしましたが、今回の補正予算では、西沢議員も触れた通り、東京都のお金はほとんど使いません。国の二次補正予算のお金を振り分けるだけです。これでは本当に不十分です。必要な人がすぐに受けられるようなPCR検査体制を作るとか、保健所を抜本的に拡大するとか、お店を救う、子供たちの授業のこと、やらなければならない様々な問題が目白押しです。

私たちは、そのひとつひとつに「宇都宮選挙」で戦った政策を持っています。これらを実現するために、宇都宮さんと共に、私たち都議会議員も、市民の皆さん、団体の皆さんと力をひとつにして頑張ります。とくに、焦眉の課題である都立病院・公社病院の独立行政法人化を中止させることを強く要求していきましょう。

田中医師(東京民医連)

東京民医連は今回、東京都に2回目の要請をしました。5月25日の緊急事態宣言解除後の東京では感染者・陽性者数は増加し続けており、7月に入りこの増加傾向はさらに強まっています。現在東京都の感染者は累計8千人を超えました。
私たちは次の2点を都に強く求めています。

  1. 都民の命と暮らしを守るために感染対策をより一層強めること
  2. コロナ第一波で経営破綻の危機に直面している医療機関、介護事業所の大幅減収に対する適切な規模の財政支援

医療介護連携のなかでは、多数の医療機関・介護事業所が相互に繋がっており、外来、入院、在宅、介護のいずれの場面でも感染拡大のリスクが生じうること、そして経営への影響もまた連鎖することを前提として、私たちは対策を要求しています。

さらに、感染対策を一段と強化するという点では、以下の4項目の要望を挙げました。

  1. PCR検査などの検査体制を強化すること
  2. 医療機関や介護施設で規模の大きい院内・施設内感染が発生した場合、職員の支援体制を築くこと
  3. 在宅療養介護には非常に多くの医療機関、介護機関が関わるため、該当市区町村の担当機関が中心となり、事業者間の調整、感染症対策を図ること
  4. 継続的に診療が必要な基礎疾患を有する患者さまーーがん、透析、難病の方、また認知症の方などーーに対して、介護上の対応を行える入院医療機関を確保すること

私たちは同時に、命を守る医療機関が大幅減収により経営破綻しないよう、財政支援を強く求めています。実際、多くの医療機関はコロナの第一波のせいで患者数が減り、減収に落ち込みました。第二波に備える以前に、多くの病院が今や経営破綻の危機に直面しています。

私たち東京民医連に加盟する法人のうち、病院を有する8法人では、4月と5月の累計で14億円もの赤字を出し、前年から11億円の悪化となりました。その主要な原因は、入院・外来・検診すべての減少による16億円の収入減です。また、病院のない診療所12法人では、4月5月の累計で2.2億円の赤字となり、前年同月比で1.7億円の悪化となりました。結果、多くの法人は夏の賞与を引き下げざるをえず、さらに冬の賞与は見通しも立っ
ていません。この状況が一年間続くと、およそ100億円の減収が予想されています。

福祉医療機構などからの緊急融資は合計で53億円を上回りましたが、返済の見通しは立っておりません。私たちは陽性患者を受け入れた病院だけではなく、全ての医療機関に対する財政支援を強く求めています。

いま、第二波に備えて東京民医連では病床の拡充を図っています。職員はつねに感染リスクと戦い、たえず緊張を強いられています。ですから、PCR検査の早急に拡充をして、職員が安心して働けるようにして是非ともしていただきたい。現在の状態では、感染から復帰した職員と一緒に働くのにも疑心暗鬼で、職場の雰囲気は悪くなる一方です。都として、民間の機関が安心して医療や介護を行えるように公的機関を充実させていただきたい。都立公社病院の独法化などはもっての他です。都立公社病院の拡充と、官民の連携強化を強く訴えていきたいと思います。