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宇都宮けんじブログ

都庁前要請アクション「困ったが希望に変わる東京へ」

2016.08.28

8月25日（木）夕刻、希望のまち東京をつくる会は、「宇都宮けんじ、リスタート。」第一弾企画として、「都庁前要請アクション　困ったが希望に変わる東京へ」を行ないました。小池都政が誕生してから約3週間。今後、小池知事が掲げる「都民ファースト」が行なわれるために何が必要なのか。緊急に取り組むべき9つの問題について、宇都宮けんじをはじめ、それぞれの現場にかかわる方々が、切実な現状について訴えました。平日にもかかわらず、約280名もの市民の方々が集まり、“困った”を書いたいくつものプラカードが都庁に向かって掲げられ、都庁から出てくる職員や通行人も、時折、足を止めて聴き入っていました。

0825都庁前行動1

　宇都宮けんじからのアピール
　横田基地問題について　～横田基地問題を考える会　島田清作さん
　羽田空港の低空飛行問題について　～羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会　遣沢健一さん
　道路政策について　～弁護士・希望のまち東京をつくる会副代表　海渡雄一
　築地市場移転問題について　～東京中央市場労働組合執行委員長　中澤誠さん
　子どもの貧困問題について　～綿貫公平さん
　原発被災者の住宅問題　～都内への避難当事者、避難の共同センター事務局長　瀬戸大作さん
　除染問題　～Sugar Natさん
　奨学金問題　～20代男性

命の問題を財源で語るな！

まず、宇都宮けんじが、「小池知事が選挙で語った公約を確実に実行し、都民ファーストの改革を本当に実行できるのか。私たちは都知事選からは撤退したが、都政を変えていく運動からは撤退しない！」と力強く宣言しました。その上で、喫緊の課題として、8月15日、青山一丁目駅で視覚障害者が、ホームから転落し亡くなった事故のことを挙げつつ、次のように語りました。

「この事故は、ホームドアがあれば防げたはず。韓国・ソウルでは、すべて地下鉄にホームドアがついている。ソウルよりも財政が圧倒的に豊かな東京都にホームドア設置ができないわけがない。『財源がない』と言う東京メトロに、小池都知事は、強く指導してほしい。命の問題を財源で語るな、と言いたい！」と強い口調で訴えました。さらに、「2020年の東京五輪、パラリンピックは、開催する時期だけの祭りであってはならない。パラリンピックを開くということは、それに向けて障害者が暮らしやすい街にするということでもある。これが五輪を招致することの大きな意義でもあるということを小池都知事に訴えたい」と重ねて強調しました。

次に、「横田基地問題を考える会」の島田清作さんより、横田基地へのオスプレイ配備の問題についてのアピールがありました。立川市、昭島市、武蔵村山市、福生市、羽村市、瑞穂町の5つの市と町にまたがる、700万平方メートルもの巨大な基地で、米軍は、年間500回、危険なパラシュート降下訓練を行なっていますが、そこに、さらに危険な戦闘機オスプレイを17機配備しようとしています。島田氏は、「5つの市と町の首長および議会は、安全の保証もないまま、オスプレイを配備することは反対だと言っているが、都知事は『国が決めたことであり、自治体がとやかく言うことではない』としている。しかし、沖縄では、翁長雄志知事が、住民の立場に立って、辺野古の反対運動をやっている。ぜひ小池知事にも立ち上がっていただきたい」と訴えました。

続いて、「羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会」の遣沢健一さんより、2020年の五輪開催に向け、首都圏空港の機能強化のため、羽田空港の発着枠の増便が検討され、都心上空の低空飛行案が有力となってきている問題についてのアピールです。「都心の真上を飛行することになったら、騒音、大気汚染、落下物の問題だけでなく、テロの危険性なども出てくる。小池都知事には、まず都民の生活を第一に、撤回を迫りたい」と主張しました。

次に、都の道路政策について、弁護士で、本会の副代表でもある海渡雄一弁護士からのアピール。「2020年に開通する環状2号線は、1キロ800億円もかかる道路。一方、保育にかかる予算は年間1000億円と言われている。これだけの予算を使ってまで作る必要性が本当にあるのか。小池知事は利権を暴くと言っているので、暖かく、しかし厳しい目でしっかり見守っていきたい。この計画を止めていただきたい」と訴えました。

続いて、東京中央市場労働組合執行委員長の中澤誠さんは、注目が集まる築地市場移転問題についてアピールしました。「毎日、7～8件の取材が来ている。今日も日刊ゲンダイが、豊洲新市場の建築基準法違反の疑いを報じている。移転は物理的に間に合わないというのはもはや自明のこと。この計画は東京都ぐるみの詐欺とも言える」と怒りをあらわにしました。さらに、「私たち零細業者はそれぞれ、移転のために、1000～2000万円の投資をしているのだから、それらの保障をしてほしい。妨害もあるだろうから、小池都知事を応援しつつ、さまざまな運動を展開していきたい」と語りました。

次に、「なくそう！子どもの貧困全国ネットワーク」の綿貫公平さんからのアピールです。「現在、日本の子どもの貧困率は、16.3%ですが、東京都は、この対策として予算を立てるどころか、調査すらしていない。現在15歳以下の子どもの貧困を放置すると、この国の今後の経済的損失は2.9兆円、国の財政的負担は1.1兆円を超えるという試算がある。給付型奨学金、給食無償化も含め、東京都は、すぐにでも調査、対策をしていただきたい」と求めました。

続いて、福島第一原発事故の被災者であり、都内に避難している当事者の方と、「避難の協同センター」事務局長、瀬戸大作さんが、原発被災者の住宅問題についてアピールしました。「東京都内には現在、6000人の避難者がいるが、区域外避難者が住んでいる住宅は、来年3月で打ち切られることになっている。全国でいうと、約2万人の避難者が、国によって追い出されてしまうという信じられない事態になっている。これは人権侵害だ。私たちは、国と東京都に署名を提出した。汚染があるうちは、避難住宅から追い出さないでほしい」と訴えました。

次に、東京の除染問題に取り組むSugar Natさんからの、除染基準見直しに関するアピールです。「現在、東京都は、地上1メートルの空間線量で、まわりより1マイクロシーベルト以上高くないと除染しない、という基準。しかし、目黒区、港区、豊島区では、5センチの高さで、0.23マイクロシーベルトで除染しているという事例がある。たとえば、葛飾区の水元公園は、3マイクロシーベルトのところがあり、江戸川区の小松川高校近くの側溝からの残土は指定廃棄物レベル。東京都は、せめて、目黒区や港区並みの基準を設けて除染に取り組んでほしい」と求めました。

次に、20代男性が、奨学金についてアピールしました。「高卒後、貧困のため大学進学をあきらめ、障害者雇用で社会人になった。大学に行って法律家になりたいという夢があるが、奨学金を借りたら返せないのではないかと不安がある。お金を貯めたいが、給料が少なく生活が苦しく、とてもできない。最低賃金を1500円にしてほしいし、給付型奨学金、または大学無償化を実現してほしい。このままでは希望が持てない。若い人が希望が持てる社会、ここで育ってよかったと思える社会にしてほしい。小池都知事に強く求めたい」と語りました。若い世代のリアルな実情が伺える話に、聴衆も胸を揺さぶられました。

以上でアピールは終了しましたが、飛び入りで、「都立雪谷高校定時制の存続を求める会」の横山尚子さんが、昨年末からわずか2カ月半の間に廃止になろうとしている、4つの定時制高校の存続について訴えました。「都の廃止の理由は、働きながら勉強している生徒が減ったから定時制は必要ない、というもの。しかし、都の『働いている』という定義は、正規雇用だけを指しており、非正規雇用は入っていない。非正規で働きながら定時制に通っている子がたくさんいる。廃止見直しを小池都知事にお願いしたい」と涙ながらに訴えました。また、反ヘイトスピーチについての訴えもありました。

さらに、応援に駆けつけた、社民党の福島瑞穂参院議員と、都知事選に無所属で立候補した高橋しょうごさんもひとことずつスピーチしました。高江から帰ってきたばかりの福島議員は、「警視庁は高江から戻ってこい！　東京都はお金があるんだから、給付型奨学金を作りましょうよ！」などと訴えました。

そして、希望のまち東京をつくる会・副代表の内田聖子からは、「政治とは、日常であり、日常の中からしか政治は生まれない。みなさんの訴えを聞いて、政治は希望を語らなければならない、とつくづく思った。これから私たちは都政に関するさまざまな活動を続けていくのでぜひサポートしてください」と語った。

最後に、宇都宮けんじが、「みなさんの訴え、胸に響いた。ここに小池都知事が出てきて聴いてもらいたかった。今後は、そこまで持っていけるような運動を展開したい」と語り、「東京都は、13兆円という、ひとつの国家並みの予算をもっている。小池都知事が公約をちゃんと実行するかどうか、監視していきましょう」と重ねて強調しました。集まった280名の方々からも、拍手が起こりました。

これらの要望は、要望書として、後日、宇都宮けんじが、小池都知事に手渡す予定です。今後も、希望のまち東京をつくる会の都政ウォッチ活動を、応援よろしくお願いします！

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