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宇都宮けんじブログ
レポート「緊急!希望政策フォーラム『築地から東京が変わる』」
2016年7月の都知事選をきっかけに、大きな注目を浴びることとなった築地市場の豊洲移転問題。宇都宮けんじは、2012年の都知事選出馬時から一貫して、豊洲移転の見直しと現地での再整備の検討を訴えてきました。その訴えがきっかけとなって、今回表面化した「盛り土」問題をはじめ、さらなる汚染や豊洲市場の建築上の不具合など新たな問題が次々に浮上してきています。
そんな状況の中、希望のまち東京をつくる会では10月9日に「緊急!希望政策フォーラム『築地から東京が変わる』」を急きょ開催。築地市場の仲卸として働く中澤誠さん(東京中央市場労働組合執行委員長)、一級建築士として10年以上にわたり築地市場移転問題に取り組んできた水谷和子さんをお迎えし、それぞれの講演のあと、宇都宮を交えてのパネルトークを行ないました。
いま最も熱い都政のテーマということもあって、会場は訪れた200名近くの人々でほぼ満席状態。冒頭に宇都宮けんじが登場し、挨拶と問題提起を行ないました。都民の食の安全を軽視した、豊洲新市場の汚染をはじめとした様々な問題の根幹は都庁の隠蔽体質にあること、それは13年つづいた石原都政の責任が非常に重大であることを宇都宮は指摘。そんな中で、今回多くの事実が明らかになったのは、中澤さんをはじめとした築地の人たちの粘り強い運動があったからこそと述べ、私たちも築地の運動に学び、都政を市民の手に取り戻す運動を行なっていかなければならないと檄を飛ばしました。
つづいて中澤さんが登壇。中澤さんは、現在問題になっている盛り土問題だけではなく、豊洲市場の施設設計には大きな問題が山積みであることを、これまでの詳しい経緯も含めて指摘しました。加えて、これら問題山積みの施設建設計画が、この10年の間、築地関係者にほとんど明らかにされないまま進められてきたこと、つまり民主的な手続きを全く無視して行なわれてきたことこそが一番の問題であると訴えました。
「最初は設計図を隠し、情報公開請求をしたら黒塗りの図面。裁判を起こして2年後にやっと設計図を開示させたら、今度は建物を隠す。豊洲の新施設を、我々仲卸の人間にすら見せてくれない! おかしいと思いませんか?」「豊洲市場の基本設計は、非公開のまま進んで業界の合意も受けていない。正式に合意決定されていない建物が何で6000億もの費用かけて、もう建っちゃってるの!?」
力強く明快な言葉で、次々と新市場計画の「あきれた現実」を明示する語り口に、会場の人々もうなずきっぱなし。最後は、一日も早く移転中止の決断を都に求めること、そして、再評価の声が高まる築地市場の再整備に向けて世論を盛り上げていきたいと語りました。
つづいて登壇した水谷和子さんは、これまで開示された数万枚の資料から作成した豊洲新市場予定地区の土壌汚染位置図をもとに、目下最も大きな問題となっている土壌汚染問題について解説。「10メートル×10メートルの土地にたった7センチの管を通す検査で、その広さの土壌の汚染の性質が決定されるのでは取りこぼしが多い」と指摘しました。
さらに、地下水が汚染されていて、かつその水位がコントロールできていない以上汚染対策は機能しているとはいえないと指摘。「基準以上の汚染が出た場合は『地下水浄化』で対策すると都はいうが、これは井戸から汚染水を抜いて水道水で薄める、つまりごまかす、ということ。東京都は汚染をできるだけ小さく見せようとする操作をしてきた」と厳しく批判しました。
休憩の後、宇都宮も含め再び3人が登壇し、質疑応答も含めて活発な議論を行ないました。宇都宮は「現在、小池都知事が進めようとしている専門家会議と市場問題プロジェクトの検証は、関係者に説明は行なっているが、意見を聞いて反映するという視点がまだ欠けている」と指摘。1360万人の都民の食の安全を守るため、本当の「都民ファースト」の実践を促し、市民がそれを監視していく運動が必要だ! と訴えました。
なお、本シンポジウムの内容は、近日、書籍として刊行の予定です。