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宇都宮けんじブログ
レポート「2016年東京都知事選挙からの、リスタート “困った”が希望に変わる東京へ」
10月28日(金)、「2016年東京都知事選挙からの、リスタート “困った”が希望に変わる東京へ」と題した集会が開催されました。
会場となった文京区民センターには、200名を超える市民が集まり、宇都宮けんじと「希望のまち東京をつくる会」が、7月31日の都知事選から3ヶ月経ち、再スタートを切る区切りの集会となりました。
まず、当会代表の宇都宮けんじより、開会のあいさつと「私たちの東京をどう変えるか?――市民の動きが東京を変えるエネルギー」と題したスピーチが行なわれました。
どんな人にも門戸をひらき、『困った』を一緒に考えていこう
宇都宮は、7月の撤退の要因について、「2014年2月の選挙後も運動を続けてきたが、今回の選挙を独力で闘い抜く力を持つまでに至らなかった」と振り返りました。一方で、「都議会傍聴をしたり、ソウル市政や辺野古の視察に行き、都政の勉強を続けるという運動をしている集団はいなかった。これが大きな強みとなり、密度の濃い政策を作ることができ、公開討論会では、他候補に引けをとらない論戦ができた。撤退後のテレビ出演などでは、『都政監視人』と呼ばれている。また、小池都知事は、『都民ファースト』をスローガンに掲げ、築地の問題のみならず、五輪の再検証など、都民の利益を考える姿勢を打ち出してきている。8月30には、私たちは10項目の要望書も小池知事に提出し、マスコミ公開の場で知事が受け取り、翌日には築地市場の移転延期が発表された」と述べ、地道に続けてきた運動が一定程度の評価を受けているとの見方を示しました。
さらに、「もし舛添知事のままだったら、築地はどうなったか。移転が強行されていたら、東京都も都民も大損害を被っていただろう。今回の『移転延期』は、選挙を通して、築地の問題が争点化したからこそ。選挙は、問題を表面化し、争点化していく重要な機会。日常的な運動と並行して、選挙に備える運動も大変重要なことだ。それは、バーニー・サンダースも自伝の中で『選挙は、若者や低所得者層を教育して組織していく運動だ』と繰り返し言っている」と、あらためて選挙闘争の重要性について述べました。また、サンダースの「まじめでありながらなおかつ楽観的であることは可能だと思う。圧倒的に不利な見込みを認識しながらその見込みをくつがえす連帯を築くことは可能だと信じている」という言葉を引用しつつ、「運動は楽しくなければだめ。深刻になりすぎてうつむいた運動は発展しない」と強調しました。
今後については、「今の日本は、未来に夢や希望を抱けない若者がたくさんいる。何よりも若い人と結びついて夢や希望を語っていきたい」とし、「最初はひとりでも、地道に続けていけば必ず共鳴する人が出てくる。都知事選をめぐっては、政党とのあつれきがあったが、今後も目指すものが一致するかぎり、私たちが門戸を閉ざすことはけっしてしない。どんな人にも門戸をひらき、都民の『困った』を一緒に考えていくスタイルを確立していきたい」と述べ、「私も残りの人生、全力をあげて都政を変える活動につぎこもうと思っている。一緒に東京を変えていきましょう。日本を変えていきましょう!」と力強く締めくくりました。
総括報告の公表、東京政策調査会・サポーター制度の発足について
次に、この日、公表された「総括報告書」について、当会副代表の海渡雄一が登壇。総括報告書の内容について話しました。
都知事選撤退までの経緯と、撤退後、鳥越候補の応援演説をしなかった経緯を説明し、選挙結果については、「参院選の東京選挙区および都議補選と比較するとはっきりするが、鳥越候補は、補選で野党が得票した票の半数前後しか獲得できなかった。さらに重要なことは、若い世代からの得票がきわめて低かったということだ」と指摘しました。また、今回の選挙から得られる教訓・課題として、「候補者選びの過程の重要性」を挙げました。一方で、宇都宮の言動が注目されたことでカンパも多く集まり、テレビ出演が増えるなど、「選挙では闘えなかったが、代わりに大きな力も得ることができた」と述べ、今後の政党との関係については、市民の自立性を保った上で協力できる関係は大切にしていきたいと話しました。
次に、当会副代表の内田聖子が登壇。今回発足する東京政策調査会について説明しました。宇都宮けんじと希望のまち東京をつくる会が、2012年の都知事選からこれまで一貫して、もっとも大切にしてきたのが「政策」。候補者が政策をどんどん出し、政策論争を深め、東京の問題を争点化していくこと。東京政策調査会は、この姿勢をさらに発展させるため、市民の方々に参加してもらいながら進めていく新しい試みである、と話しました。「調査会はまだ準備段階にあり、正式な発足は12月以降ですが、ぜひ政策サポーターに登録していただき、参加してほしい。一緒に政策を作っていきましょう」と呼びかけました。
次に、当会の石崎大望が、同様に今回発足するサポーター制度について説明しました。この制度は、希望のまち東京をつくる会の活動を、財政、情報発信、クリエイティブ、事務、イベント、地域、政策、選挙といった分野でサポートしてくださる仲間を広く募集し、共に活動していきましょうというもの。(※詳細は後日、このサイト上で発表予定。)皆様方の参加をお待ちしています、と呼びかけました。
みんなで話し合う、これからの東京
最後は、6~7名のテーブルに分かれ、ワークショップ(グループ討議)が行なわれました。1テーブルに1名、ファシリテーターが付き、集会参加の動機、関心ある問題/私の“困った”、希望のまち東京をつくる会に望むこと、などが話し合われました。関心ある問題としては、選挙のたたかい方/あり方、市民の政治参加、教育、労働・雇用、住宅、保育園・学童、築地・豊洲、五輪、原発避難者、女性・ジェンダーなどさまざまな意見が出ました。また、希望のまち東京をつくる会に望むこととしては、
- 選挙のときにきっちりと動ける態勢を作っていってほしい
- 宇都宮の人柄や功績を広く一般の人に広めてほしい
- 組織運営、活動内容等をもっとわかりやすく見える化してほしい
- 研究者や専門家による政策ブレーンを組織化してほしい
- 現場とつながった「生きた」政策をつくってほしい
- 都政の問題をきちんとデータなどを提示してわかりやすく見せていってほしい
- いろんな人が参加して対話できるイベントをやってほしい
- 若い人にもわかりやすく楽しいイベントをやってほしい
などが挙げられました。そのほか、「政治に無関心な人にどう伝えるか」「若者にどうしたら関心をもってもらえるか」といった話題が多く見られました。