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宇都宮けんじブログ

シンポジウム「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」(2020年3月12日)のご報告」

はじめに

3月12日(木)に、希望のまち東京をつくる会(以下、当会)代表・宇都宮けんじが共同代表を務める市民と政治をつなぐ江東市民連合主催のシンポジウム「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」が江東区文化センターで開催されました。
参加した当会スタッフのレポートを、当会ブログにて、掲載させていただきます。

【宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東】
主催:市民と政治をつなぐ江東市民連合
開催日:2020年3月12日(木)18:30~21:00
開催場所:江東区文化センター
https://www.facebook.com/events/492445201632306/

レポート

3月12日(木)に、宇都宮けんじが共同代表をしている「市民と政治をつなぐ江東市民連合」の主催で、「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」が、東陽町にある江東区文化センターで開催されました。新型コロナウィルスが蔓延する中、参加者が少ないのではないかと心配されましたが、会場満席の76名が参加し、資料が足りなくなるほどでした。希望のまち東京をつくる会からも何人か参加しました。隣の墨田区の区議2人も参加していました。

  • 宇都宮けんじの講演

「市民と政治をつなぐ江東市民連合」の芦澤礼子さんが司会をされ、宇都宮けんじが「今、都政にもとめられているもの」と題して講演しました。
1.「私たちの生活はどうなっているか」の現状を、国民の6人に1人、子どもの7人に1人、一人親世帯の2世帯に1世帯が貧困に陥っているなど、貧困と格差が拡大している現状を述べた後、その原因は「社会保障の貧困」と「労働政策の貧困」にあり、つまりは「政治の貧困」にあること、それを変える必要性について述べました。江東区で起こった兄弟餓死事件の痛ましい事例にも触れ、それを防げなかった行政の対応の問題性も述べました。
2.「都政の役割」について、(1)「住民の福祉の増進」(地方自治法第1条の2第1項)、都民(外国人を含む)の命と暮らしを守る都政、都民一人ひとりの幸せを考える都政、(2)憲法が保障する基本的人権が守られる都政、(3)選別的福祉ではなく、普遍的福祉を重視する都政にすることが重要で、そのためには、スウェーデンの国家予算を超える東京都の予算(2020年度の一般会計予算7兆3540億円、特別会計、公営企業会計も合わせると15兆4522億円)を、都民の生活を豊かにするために重点的に使っていく必要性について述べました。

3.「今、都政に求められているもの」として、学校給食の完全無償化や義務教育の完全無償化、都営住宅の新規建設と家賃補助制度の導入、公契約条例の制定、非正規労働者を減らし、正規労働者を増やす、都立病院・公社病院の独立行政法人化(実質的な民営化)反対、カジノ誘致反対、災害対策の強化、環境問題への取り組み、道路政策(外環道、特定整備路線)の見直し、待機児童、待機高齢者対策、障害者差別のないバリアフリーなまちづくり、羽田空港新ルート低空飛行の実施反対、ヘイトスピーチ対策の強化や外国人を含む都民の人権を守ること、出前福祉制度(ソウル市で行っている)を導入するなどして、福祉の行き届かない死角地帯をなくす、都民参加予算制度の導入など15の具体的な課題と政策を示しました。(それに加えて横田基地問題も)

  • 質疑応答・会場発言

その後、フロアーからの質疑応答も行われ、新型コロナウィルス問題により経営困難を抱える中小企業への支援策、オリンピックや開発政策の問題、道路問題や陳情に対する行政の対応等の質疑が出されました。

また各現場で課題に取り組んでいる3人の方から発言があり、教育現場からは、東京都教職員組合の女性から、新型コロナウィルス対策として行われている休校措置に伴う問題、公立学校に導入されようとしている「変形労働制」の問題などについて述べられました。
「都立病院の充実を求める連絡会」の女性からは、都立病院・公社病院の独立行政法人化の問題について詳しく述べられました。新型コロナウィルスなどの新型感染症への対応にも、この独立行政法人化は悪影響をもたらす懸念も述べられました。
「臨海部開発問題を考える都民連絡会」の代表の方からは、江東区青海地区に誘致されようとしている、カジノ問題について述べられました。安倍政権や小池都政はカジノで経済成長させようとしているが、そもそも「経済」とは「経世済民」であって、カジノのように人の不幸の上に成り立つものであってはいけないことを述べ、江東区と東京都宛てのカジノ反対署名を行っていること、カジノ問題を都知事選の一大争点にしようと述べました。
宇都宮けんじの新著『『韓国市民運動に学ぶ』(花伝社)などの販売も行われ、集会終了後は、同書を購入された方々への宇都宮けんじのサイン会も行われました。

                          (希望のまち東京をつくる会 スタッフK)