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宇都宮けんじブログ

新型コロナ災害緊急アクション・省庁への緊急要請(2020年4月16日)のご報告

はじめに

4月16日(木)に、希望のまち東京をつくる会(以下、当会)代表・宇都宮けんじが共同代表を務める反貧困ネットワークも含む27団体(4月26日現在)ほどが参加する新型コロナ災害緊急アクションが、生活保障に関係する省庁への緊急要請を行いました。参加した当会スタッフのレポートを、当会ブログにて、掲載させていただきます。

【新型コロナ災害緊急アクション】
主催:新型コロナ災害緊急アクション
開催日:2020年4月16日(木)12:00~15:00
開催場所:国会議員会館

スタッフによるレポート

  • はじめに

4月16日(木)、新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活困窮者や学生への支援強化を求める省庁との緊急の話し合いが行われました。

主催団体の新型コロナ災害緊急アクションは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う貧困問題に取り組むため、反貧困ネットワークが呼びかけて3月に結成されたもので、官製ワーキングプア研究会、つくろい東京ファンド、非正規労働者の権利実現全国会議など、4月23日現在で27団体が参加しています。

16日の緊急の話し合いは、生活保護や居住、雇用と労働、障がい者、奨学金などの問題について、新型コロナ災害緊急アクションの参加団体などが事前に提出した要望書に対して、省庁が回答するもので、会場の衆議院第一議員会館には、21団体が参加し、厚生労働省と文部科学省の担当者が回答しました。

冒頭には、立憲民主党や共産党、社民党の国会議員も立ち合い、共闘を表明しました。

その後、まず厚生労働省、次に文部科学省の担当者が前に並び、事前に提出された要望を基に、提出団体との話し合いが行われました。

  • 各分野からの発言

生活保護については、生活保護問題対策全国会議やNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの代表などから、オンライン申請も認めてほしい、環境が劣悪な無料低額宿泊所に誘導するのではなく、個室での生活を優先させてほしい、といった要望が出されました。後者については、個室での生活を優先させるようにという厚労省通達につながりました。

居住については、住まいの貧困に取り組むネットワークなどから、生活困窮者自立支援法に基づく住宅確保給付金の支給が、ハローワークで求職活動をすることが給付条件となっているが、例えば音楽活動を続けたい人などは条件に合わず、利用できないので配慮してほしい、といった要望が出され、これも後の条件緩和につながりました。

労働に関しては、若者の雇用問題に取り組むNPO法人POSSEなどから、従業員を解雇せずに休業させる企業に対して支給される雇用調整助成金の上限額をもっと引き上げないと利用が増えない、といった要望が出されました。

障がい者問題については、共同連から、障がい者が働く事業所では、感染を恐れて事業所に通勤できなくなっている人が増えているので、送迎する車の購入補助をしてもらえないか、などの要望が出されました。

学生への支援については、奨学金問題対策全国会議から、奨学金返済の猶予措置の拡大、学費の延納や分納の実施と徹底、などが求められました。

前に並んだそれぞれの省庁担当者からは、望ましい回答が得られないことも多くありましたが、市民からの要望を直接伝え、話し合うことで、今後の対応につながっていく可能性を感じました。

  • おわりに

最後に、新型コロナウイルスの影響による貧困問題に取り組む団体を支援する「新型コロナウイルス:緊急ささえあい基金」の紹介と、同基金を発足させた反貧困ネットワークの代表世話人・宇都宮けんじからのあいさつがありました。

「非正規労働者やネットカフェ難民、シングルマザー、障がい者、外国人労働者など、困難を抱えている国民の声を政府に直接届ける意義は大きい。新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会保障の削減や、学費の高騰、非正規労働者の増加など、日本社会の歪を露わにした。今、国の在り方が問われている。社会的・経済的支援を必要としている人々を支援しながら、この国の在り方を変えていく闘いが必要。ネットワークを強化し、共に闘いましょう。」という力強いあいさつで、長時間にわたった会合の疲れも、充実感に変わりました。

(希望のまち東京をつくる会 スタッフM)