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宇都宮けんじブログ
選挙戦スタート!第一声は都庁前で。夕方は新橋SL広場で野党各党の代表たちと街頭演説(2020年6月18日)
〇選挙戦スタート/第一声は都庁前から
宇都宮けんじは、東京都知事選告示日の6月18日(木)午前10時から都庁前で選挙戦第一声の街頭演説をしました。新型コロナ感染拡大防止のため、街頭演説場所の告知はしなかったのですが、多くのマスコミの取材の方々が集まりました。宇都宮は、今回の選挙は都民の生存権をかけた闘いであると訴えましたが、選挙戦第一声の演説の内容は末尾に掲載しております。
その後、近くの選挙ポスター掲示板に宇都宮自身が選挙ポスターを張りました。
それから、東京都保健医療公社大久保病院に向かい、病院前で、同病院の医療従事者の方たちから要望書を受け取り、対話しました。都立病院・公社病院は、新型コロナ患者を多く受け入れ、その治療に中心的に当たってきましたが、このようなコロナ対応においても重要な役割を果たしてきた都立病院・公社病院を、小池都知事は、独立行政法人化という経営効率のみを重視する半民営化を強行しようとしています。それに対して宇都宮は反対してきました。
医療従事者のみなさんたちも、そのような趣旨の要望を宇都宮に伝え、要望書を手渡しました。
そして午後からは、宇都宮けんじが、主に新型コロナウイルスと関連ある様々なテーマで、ゲスト(2~3名)とZOOMでトークする「選挙戦スタート!宇都宮けんじとZOOM」を行いました。トークの様子は、YOUTUBEチャンネルで生配信されました。トークは4つのセッションに分けて行いました。各セッションのテーマとゲストは下記の通りです。
各セッションのテーマとゲスト
【1】コロナ休業で苦しむ文化スペースを救え!
13:15~13:45
想田和弘さん(映画監督)
スガナミユウさん(LIVE HAUS、SaveOurSpace)
【2】感染拡大の影で―女性たちが置かれた現実
14:00~14:30
北原みのりさん(LOVE PIECE CLUB)
瀬山紀子さん(DPI女性障害者ネットワーク)
彩咲りんさん(DV被害者支援の団体を準備中)
【3】“コロナ休学・退学”を迫られる学生たち
14:45~15:15
都内の大学生3名:本村翔太さん(上智大学)、齊藤皐稀さん(東洋大学)、村田くるみさん(中央大学)
【4】私たちは微力だが無力ではない! 民主主義を語ろう
15:30~16:00
笛美さん(#検察庁法改正案に抗議します ハッシュタグをTwtterで始めた方)
元山仁士郎さん(「辺野古」県民投票の会元代表)
海渡雄一(弁護士/希望のまち東京をつくる会)
午後5時〜6時には、新橋駅前SL広場にて、野党各党代表とともに、宇都宮けんじが街頭演説を行いました。社会民主党党首の福島瑞穂参議院議員、日本共産党委員長の志位和夫参議院議員、立憲民主党代表の枝野幸男衆議院議員が応援演説をし、国民民主党の小沢一郎衆議院議員からの応援メッセージが代読されました。
最後に宇都宮けんじが、コロナ対策、補償問題、都立病院・公社病院の独立行政法人化問題、保健所の削減問題、カジノ問題、オリンピック問題などについて述べました。
〇宇都宮けんじの都庁前での第一声演説全文
多くの都民市民の皆さんから背中を押されて都知事選に立候補しました宇都宮けんじです。わたし個人としては、三度目の挑戦ということになります。まずはじめに新型コロナウイルス感染症により、東京都では都民の5600人を超える方が感染しまして、そして、300人を超える方が亡くなっております。改めてコロナ感染症によって亡くなられた方に対して心よりご冥福をお祈り申し上げます。また現在も療養中の方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。
コロナ災害にともなう、国や東京都の自粛要請、そして休業要請などによって、多くの都民が仕事を失い、住まいを失い、営業が困難となり、生活や命が脅かされています。そしてそういうしわ寄せはとりわけシングルマザー、非正規労働者、身体に障害をもつ方々、そういう社会的経済的に弱者といわれる方に、しわ寄せが及んでおります。今回の選挙は、わたしは都民ひとりひとりの生存権がかかった選挙だと考えています。
コロナ対策と補償の徹底
わたしがこの選挙で重視するのは、まず第一に、コロナ感染症から都民の命を守る医療体制の充実と、そして自粛や休業にともなう補償を徹底するということであります。
この間東京都は公衆衛生の拠点ともいうべき、保健所を大幅に減らしてきております。最大時、71ヶ所あった保健所が、現在は31ヶ所に減少しております。そして23区内では、最大時53ヶ所あった保健所が、23ヶ所に減少しております。PCR検査の問い合わせが、保健所に殺到しました。
しかしながら、保健所は数を減らされた上に、人員が削減されてパンク状態となりました。その結果、PCR検査が行えませんでした。日本のPCR検査数は、 OECD経済開発協力機構に加盟する、36ヶ国中35位ということであります。わたしはこのような体制を、抜本的に強化する必要があると考えております。まずPCR検査数のPCR検査体制の抜本的強化が必要です。これは同じようなことを、5月11日に出された18道府県の知事が、国に対して求めているものでもあります。
そして医療体制の充実、病院や保健所の強化、医療器具の充実、こういうことを徹底してやらないと駄目だと思います。これから第2波第3波が予想される中、都民の命を守るための医療体制の充実は最も緊急な課題だと考えております。
併せて都民の生活暮らしを守っていく。このことも求められています。多くの人々が仕事を失い、住まいを失っております。ネットカフェで寝泊まりされてる方、4000人近くの方がネットカフェの休業要請によって路上に出されております。営業が継続が困難となった自営業者の方は店をたたんでおります。
わたしが最も心を痛めた報道は、4月末練馬区のとんかつ屋さんで火災事故が発生しました。この火災事故を検証した警察の調査によりますと、とんかつ屋さんの経営者はとんかつ油を頭からかぶった形跡があるということです。将来を悲観して焼身自殺を図ったのではないかと言われております。
コロナ災害は、コロナ感染症によって人々の命を奪うだけではなくて、経済的な困窮、経営が厳しくなって自ら命を絶つ、そういう人々が出てきているんです。こういうなかでコロナ感染症の被害拡大をこれ以上拡大させない、そして都民のひとりひとりの命や暮らしを守る、そういう都政が今こそ求められていると思っております。
都立病院・公社病院の充実・強化
わたしが重視する政策の二番目は、都立病院・公社病院、8つの都立病院、6つの公社病院の独立行政法人化を中止をして、さらに中止するだけではなくて、このような都立病院・公社病院を充実・強化を図るということです。
小池知事は昨年12月の都議会で、突然都立病院・公社病院の独立行政法人化をするという所信表明を発表しました。そしてこのような方針はコロナ感染症の拡大が広まって多くの都民が感染をして多くの都民の命が奪われている中でも、方針を改めた形跡がありません。
コロナ感染症の患者を一番多く受け入れているのが都立病院や公社病院であります。都内の感染患者の約7割を受け入れていると言われております。ご承知のとおり、民間病院がコロナ感染症の患者を受け入れた場合、病院は赤字経営に転落をして、病院の維持すら困難になっています。こういう時こそ公的な病院、それを維持・強化する、それが求められていると思っております。
小池知事はコロナ感染症対策をしっかりやると言いながら、この病院の問題については真逆のことをやろうとしてるんです。それは先ほどの公衆衛生の拠点である保健所を減らしてきたこともそうです。
小池知事はロックダウン、オーバーシュート、コロナ感染症拡大、重大局面、或いは 東京アラート、こういうセンセーショナルな言葉を使ってパフォーマンスとしてはコロナ対策をしっかりやっているんだというふうに都民に映るかもしれませんけど、実際の感染症に対する対策をじゅうぶん都政が準備したかというと、それは真逆のことをやってきたのではないかと思っております。
感染症、コロナ感染症についても第2波第3波が予測されてますし、このような感染症はおそらく10年単位でさまざまな感染症が襲いかかる、そういう状況になっていると思っております。それに備えるためにも今こそ都立病院や公社病院を充実させる。そして保健所の数を増やして人員も整備していく。こういうことが求められていると考えております。
オリンピックに向けて
次に重視する政策としてオリンピック問題があります。オリンピックはコロナ感染症の拡大で来年に延期されました。しかしながら、おそらく多くの都民の方がこのまま開けるのかどうか危惧されていると思います。世界中に今コロナ感染症が拡大をして、WHOによればパンデミックが続いています。
オリンピックには世界中の人が集まってきます。日本だけがコロナ感染症の予防対策をしっかりやって克服したとしても、世界でコロナ感染症が蔓延している状態では、世界のスポーツ選手を日本に集めることはできないんじゃないかと思います。
この点についてもわたしは、感染症対策の専門家が来年のオリンピック・パラリンピック開催は困難だと判断した場合は、積極的にIOC国際オリンピック委員会に中止を働きかけます。そして中止によって浮いた予算については、コロナ災害で被害にあった都民の救済に充てたいと考えております。
カジノ中止
さらにもうひとつわたしが重視する政策は、カジノ誘致計画をきっぱりと中止するということであります。現在東京都はカジノの誘致に関する調査をすため予算組みをしております。そしてカジノのメリット・デメリットを調査すると言っております。
昨日の日本記者クラブの記者会見でも、わたしは小池さんに対してカジノ中止をきっぱりと宣言すべきではないかということを迫ったんでありますけど、小池さんは今デメリットやメリットを調査してるんだと、そういう答えしか返ってきませんでした。
わたし達が調査したところによりますと、現在カジノ誘致の有力候補地はわたしが住んでる江東区の青い海、青海地区だということになっております。わたし達は江東区で学習会を開きまして、江東区にカジノはいらない、そういう市民運動を展開しております。カジノはギャンブル依存症の拡大、或いはわたしが長年取り組んできた多重債務問題の再燃、治安の悪化、様々な悪影響を及ぼします。とりわけ青年、児童青年の教育環境には悪影響を与えるものです。
さらにカジノは横文字でありますけど、日本語に訳すと「賭博、博打」なんです。これは刑法で禁止されてる犯罪なんです。そしてカジノはカジノで負けた人の犠牲の上に経営が成り立っております。カジノで負けた人のなかには一家心中、一家離散、自ら命を絶つ、こういう人が海外では出てきております。
人の不幸の上に立って、そして経済成長を計る。こういうことは政治家として絶対にやってはいけないことだと考えております。わたしは東京都はカジノ誘致をきっぱりと中止すべきであるというふうに考えております。
派遣村、そして東日本大震災
わたしはこの間、サラ金やヤミ金などから借金をした多重債務者の救済活動を長年にわたって行ってきました。また2008年のリーマン・ショックの後、 派遣労働者が派遣切りにあい、仕事を失うだけではなくて住まいを失って野宿を余儀なくされた方が大量に出てきました。このような派遣労働者を支援するために、わたし達は日比谷公園に2008年の暮れから2009年の始めにかけて、年越し派遣村の取組みを行い、支援活動を行ってきました。
またわたしが2011年日弁連会長の時に、3月11日東日本大震災と原発事故が発生しました。わたしは東日本大震災原発事故の被災者・被害者の支援活動に奔走し、被災者・被害者の支援に繋がる立法や、制度の確立の取組みをしました。
このような取組みを通して、わたしは今の日本の社会のあり方が改めてコロナ災害を通じて問われているんじゃないかと考えております。これまでの日本の社会、わたしは国民の命や暮らし、そして人々の人権よりも経済効率性ばかりを優先してきた、そういう社会であったんではないかというふうに考えております。
そして今回のコロナ災害でそのような社会のあり方の脆弱性が露わになったのが今回のコロナ災害ではなかったかと思っております。個々の被害者の救済もそうですけど、わたしは今の社会のあり方がも鋭く問われてるのが今回のコロナ災害であるというふうに考えております。
希望の持てる社会へ
経済効率性よりも国民や市民都民の命や暮らし、人々の人権を重視する社会でないと駄目だと思います。そして経済効率性ばかりを優先する社会は自己責任ばかり問われる社会だったと思います。
そのような自己責任社会からの転換を求められているのも今回のコロナ災害ではないでしょうか。自己責任社会を転換をして、人々市民がもっともっと繋がりあう支えあう、社会的連帯が重視される社会が今こそ求められていると思っております。そしてそういう社会こそ都民ひとりひとりが希望を持てる社会ではないかと思っております。
わたしはこの都知事選を通じて都政の抜本的な改革を訴えていきたいと思っております。そして都民の皆さまひとりひとりと手を携えて新しい都政、都民の命や暮らしが第一に重視されるそういう都政を確立したいと考えております。このような都政の確立は、おそらく他の自治体にも大きな影響を与えると思いますし、国の政治のあり方も大きな影響を与えていくと思います。都政を変えることは日本の政治のあり方、日本全体の社会のあり方を問うことになります。
都民ひとりひとりの命や暮らしを
そういう気持ちであと2週間がんばり抜きたいと思っております。だいぶ高齢になりましたけど、田舎で育ったもので比較的足腰は丈夫なほうです。また記者会見の時に記者のひとりから「あなたは地味をどうのようにして克服しますか?」こういう質問を受けました。わたしは地味な人間なのでそれを克服しようと思っても克服することは叶いません。
しかしながら誰よりも、今回立候補した誰よりも都民ひとりひとりの命や暮らし、そしてとりわけコロナ災害でしわ寄せを受けてる社会的経済的な弱者の皆さんに対する思い、それは他の党よりもわたしは強いと思っておりますし、政治を行ううえで一番大事な要素だと思っております。したがってわたしは地味を最大限ウリにしてこれから2週間がんばって参りたいと思っております。
都民の皆さんのご支援ご協力を改めてお願いしたいと思います。ありがとうございました。