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宇都宮けんじブログ

「貧困ジャ一ナリズム大賞2020」授賞式&シンポジウム「コロナ災害と貧困報道」(2020年11月26日)のご報告

11月26日(木)に、希望のまち東京をつくる会(以下、当会)代表・宇都宮けんじが代表世話人を務める反貧困ネットワーク主催の「貧困ジャ一ナリズム大賞2020」授賞式およびシンポジウム「コロナ災害と貧困報道」が文京区民センターで開催されました。
参加した当会スタッフのレポートを、当会ブログにて、掲載させていただきます。

【「貧困ジャ一ナリズム大賞2020」授賞式&シンポジウム「コロナ災害と貧困報道」】
主催:反貧困ネットワーク
開催日:2020年11月26日(木)18:30~20:30
開催場所:文京区民センター3A

レポート

■本イベントについて

「貧困」に関する報道の分野で目覚ましい活躍をみせ、世間の理解を促すことに貢献したジャーナリストたちを顕彰する「貧困ジャ一ナリズム大賞2020」の授賞式とシンポジウムが、宇都宮けんじが世話人代表を務める反貧困ネットワ一クの主催で11月26日(木)に文京区民センターで開催されました。
この賞は、日本社会が抱える貧困の問題において、隠されていた真実を白日の下にさらしたスクープ報道、綿密な取材で社会構造の欠陥や政策の不備を訴えた調査報道などを対象とし、取材される側や専門家の側から見た報道の評価を社会に示すことを目的としています。2007年から、2008年を除く毎年開催され、今回で13回目となりました。今回の賞ではとりわけ「コロナ災害と貧困」を扱ったものが重点的に取り上げられました。
司会は同ネットワ一ク世話人の白石孝氏、選考過程の説明を同ネットアドバイザーの河添誠氏が行い、そして賞のプレゼンタ一を宇都宮けんじが務めました。

■貧困ジャーナリズム大賞:「『独り』をつないで一ひきこもりの像一」

貧困ジャ一ナリズム大賞には、沖縄タイムスの篠原知恵、又吉嘉例、勝浦大輔の三氏による同紙連載「『独り』をつないで一ひきこもりの像一」が選ばれました。本報道の授賞理由は下記のとおりです。

「長期間にわたる取材の中で本人や家族、支援者らとの信頼関係を築きながら、口をつぐみがちな本人や家族の声なき声を拾い上げ、これまでわかりづらかった本人や家族が直面する厳しい現実と苦悩を「当事者の目線」で伝える報道である。本報道が、同じような問題を抱えて悩んでいる全国のひきこもり当事者や家族を大いに励ます報道になったことは想像に難くない。また本報道をきっかけに、官民連携した「ひきこもり家族会」の発足や自治体において引きこもり支援体制を強化する動き出てきていることは、マスコミ報道の重要性と役割を改めて再確認させるものがある。」

■力作揃いの貧困ジャーナリズム特別賞&貧困ジャーナリズム賞

そして貧困ジャ一ナリズム特別賞として、あらいぴろよ氏のコミック「虐待父がようやく死んだ」と映画監督の隅田靖氏の映画「子どもたちをよろしく」が受賞しました。

また、貧困ジャ一ナリズム賞は、以下の各氏による10作品が授賞しました。
中国新聞の栾暁雨(らん・しょうう)、林淳一郎の両氏による「この働き方大丈夫?」、ドキュメンタリーコレクティブDocuMe(ドキュミ一ム)(松井至、内山直樹、久保田徹、平野まゆ、中川あゆみの各氏)によるNHK BS1 スペシャルの「東京リトルネロ」など、小原美和(NHKプロデューサー)、後藤秀典(ディレクター)、長塚洋(ディレクター)の三氏によるNHKテレビ番組「分断の果てに”原発事故避難者”は問いかける」、NHKの青山浩平氏によるNHK ETV特集「調査ドキュメント〜外国人技能実習制度を追う〜」、毎日新聞の上東麻子、塩田彩、宇多川はるかの三氏による連載「やまゆり園事件は終わったか」、神奈川新聞取材班(佐藤奇平、田中大樹、高田俊吾、成田洋樹、石川泰大、川島秀宜、山本昭子の各氏)による「書籍『やまゆり園事件』(幻冬舎)などを中心とした報道について」、テレビ新潟報道部の加藤頌子、捧美和子、芝至、須山司の各氏によるテレビ番組「桜 SOS〜フ一ドバンクと令和の貧困〜」、朝日新聞の白石昌幸、山田佳奈両氏による「内密出産 国は動かず」の10作品。

授賞式の後では、シンポジウム「コロナ災害と貧困」が、竹信三恵子氏(和光大学名誉教授・ジャ一ナリスト)をコ一ディネ一タ一、各授賞者をパネリストとして開催されました。