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宇都宮けんじブログ

反貧困ネットワーク全国集会 & 新宿駅頭集会・サウンドデモ(2021年4月4日)のご報告

4月4日(日)に反貧困ネットワーク主催の全国集会が新宿文化センターで開催され、それに先立ち、新宿西口小田急前で新宿駅頭集会とそれに引き続くサウンドデモが行われました。

全国集会には会場参加約100名、オンライン参加約50名が参加しました。新宿駅頭集会とサウンドデモにも150名ほどが参加しました。 

なお「反貧困ネットワーク」は、これまでのみなし法人から更なる運動の飛躍をめざして、新たに一般社団法人となります(その後、正式になりました)。ネットワ一ク運動をつうじた社会的可視化の運動だけでなく、経済的弱者をささえあいの精神で支え合う「社会運動としての連帯協働組織」としての新たな歩みを始めます。理事長は宇都宮健児、事務局長は瀬戸大作です。(敬称略、以下同様) 

新宿駅頭集会は13時から新宿駅西口小田急前で行われ、雨宮処凛(反貧困ネットワーク世話人)と渡邉由紀子(反貧困ネットワーク世話人、希望のまち東京をつくる会事務局長)の司会で、宇都宮健児が主催者挨拶を行い、当事者の方々の発言が続きました。コロナ禍の下、観客が減り、収入の激減も経験した音楽ユニット「ALBA/TROS」の演奏も行われました。

サウンドデモは、新宿駅西口から東口に移動して、そこから全国集会会場の新宿文化センターまで、新宿駅周辺を1時間半近くかけて行われました。サウンドカ一を先頭に、様々な人々がマイクを握り、「生きさせろ!」「お金をよこせ!」「住まいをよこせ!」「外国人の生存権守れ!」などのコ一ルをし、沿道の人々に訴えかけながら行われました。全国集会の前に、このようなデモが行われるのは近年なかったとのことです。

今年の全国集会は、「生きてくれーコロナと貧困」と題して、新宿文化センター小ホールで、15時30分から20時までの長丁場の集会が持たれました。コロナ感染防止のための会場定員制限のため、事前予約の約100名が会場参加し、そのほかに約50名がオンライン参加しました。

新宿駅頭集会と同じく、雨宮処凛と渡邉由紀子の司会で、宇都宮健児の主催者挨拶に続き、セッション1、2、3と順に行われ、最後に集会宣言とまとめが行われました。

コロナ禍で生活困窮者が急増している中、昨年は反貧困ネットワークの呼びかけで、生活困窮者支援などに関わる多数の団体が集まって「新型コロナ災害緊急アクション」を作り、「反貧困ささえあい基金」を募り、瀬戸大作事務局長を中心に、支え合い、共助の活動を行ってきましたが、それらの活動の報告とともに、自助や共助だけでなく、公助を政府や行政の責任で行わせるように運動してゆくことの重要性も語られました。

セッション1は「全国のコロナ災害支援地域の取り組み」で、瀬戸大作(反貧困ネットワーク事務局長)が「新型コロナ災害 押し寄せる生活の危機-支援現場からの報告-」と題して報告し、そして稲葉奈々子(反貧困ネットワーク理事・移住連貧困対策PT)「新型コロナと移民」、仲道宗弘(貧困ネットワーク群馬代表)「反貧困ぐんま 1年間の相談活動の取り組み報告」、阪上武(反貧困ささえあい千葉事務局)「反貧困ささえあい千葉 活動報告」、高見俊司(府中派遣村共同代表)「多摩相談会報告」、松沢秀延(クルドを知る会会長)「クルドを知る会報告」の各報告が行われました。

次にセッション2の「課題別報告」では、赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)「コロナ禍のひとり親ー支援活動と調査結果から」、吉祥眞佐緒(エープラス代表理事)「女性のための女性相談会から見えたこと」、後呂良子(女闘労倶楽部(めとろくらぶ))「非正規雇用問題」、北海学園大学の学生と教員「学生の貧困」、ユタカさん、ファビオさん(名古屋ふれあいユニオン)「碧海工機雇止め問題/外国人労働者のたたかい」の各報告が行われ、このセッションの最後には、ミニシンポジウム「疲弊する公共サービスの現場から」が、白石孝(反貧困ネットワーク理事、官製ワーキングプア研究会理事長)の進行で、会場とZOOMを交えて、ハローワークの相談窓口を担っている女性職員など、自らも非正規で不安定・低待遇の雇用関係の中で、公共サービスや相談窓口を担っている当事者の発言がありました。

セッション3では、同じく白石孝の進行で、「希望に向けた討論」と題して、韓国からの特別報告として姜乃榮(カンネヨン)(地域ファシリテータ)が「韓国のコロナ禍における貧困対策と地域住民連帯や民間支援の現状報告」をオンラインを通して行い、そして仲道宗弘、高見俊司、吉祥眞佐緒、松沢秀延、瀬戸大作の各氏が参加し、地域と社会の分かち合いと連帯の社会運動に向けて討論しました。

最後に集会宣言とまとめが行われ、集会宣言を猪股正弁護士(反貧困ネットワーク理事、反貧困埼玉共同代表)が読み上げ、まとめを宇都宮健児が行い、自助・共助だけでなく、当事者への支援や連帯を強めながら、国や行政に働きかけて、公助を実現させ、希望と連帯の社会に向けて政治を変えてゆくことを訴えました。

なお反貧困ネットワークの下記サイトもご覧ください。
★ 反貧困ネットワークホームページ https://www.hanhinkon.com/
★ 新宿集会デモの動画 https://youtu.be/A4A9ls3TxwU
★ 集会のアーカイブ録画 https://youtu.be/4tJrb2_Ntc4
★ 集会宣言 https://www.hanhinkon.com/report/
★ 報告は「サポート日誌」(4/4 https://www.hanhinkon.com/support5/