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宇都宮けんじブログ

東京五輪中止を訴える市民の声高まる(2021年6月2日)

五輪中止を求める世論高まる

5月5日、署名サイトchange.orgで当会代表宇都宮けんじが呼びかけた東京五輪の中止を求めるネット署名「人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます」が5月27日時点で40万筆を突破しました。

その動きに連動するように、都内各地で反対行動が大きく広がっています。5月7日には、市民団体「私が東京を変える」が「東京オリンピック・パラリンピックを中止してください」という要望書を、小池都知事、橋本五輪組織委員会会長、菅首相、バッハIOC会長宛に提出。19日には、小金井市議の有志11名が、オリンピック・パラリンピック中止を求める「緊急要請書」を菅首相や小池百合子都知事らに送付し、大会中止の速やかな判断と、医療崩壊の回避や生活困窮者の救済に力を入れるよう求めました。また、24日には、「市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク」が呼びかけ、「東京オリンピック・パラリンピック、開催の中止を求める緊急要請書」を政府他関連組織に提出しています。

テレビ朝日報道ステーションが5月17日に発表した世論調査によると、東京五輪の開催について「延期したほうが良い(33%)」・「中止したほうが良い(49%)」と答えた人は併せて82%で、「7月に予定通り開催」と答えた15%を大きく上回る結果になっています。

17日にはJR新橋駅前で東京五輪反対デモが行われましたが、医療関係者によるtwitterデモ(4月28日)などをはじめ、#オリンピック中止を求めます などのハッシュタグを使ったtwitterデモが継続的に行われています。しかし国際オリンピック委員会(IOC)は開催の方針を変えず、政府は再度緊急事態宣言を延長しながらも、開催を強行しようとしています。

国内で医療が逼迫し、医療関係者が必死の思いで新型コロナに向き合っているとき、医師や看護師、貴重な医療資源をオリンピックに割く余裕はありません。強行すれば、医療崩壊に拍車をかけるような状況になるのは目に見えています。加えて、長引く緊急事態宣言で、営業自粛を強いられた方たち、仕事を失い生活に困窮する方たちは増える一方で、オリンピック開催が人々の生活に大きな負担をかけているのは明らかです。財政的にも、税金や資金は、オリンピックの開催にではなく、コロナ対策と経済補償や生活困窮者の支援にこそ使うべきではないでしょうか。

東京五輪の損失を補填するのは東京都?!

希望のまち東京をつくる会では、3月26日に作家の本間龍さんをお招きして、宇都宮けんじとのオンライントークイベント「あり得ない!東京オリンピックー都政はコロナ対策と経済補償を優先せよー」を開催しました。同イベントでは、今回の東京オリンピック・パラリンピックが実質的に開催不可能である十分な理由を、本間龍さんが詳細なデータとともに解説しています。(※詳細は当会ブログ報告参照)

イベント動画は本間龍さんサイト「一月万冊」で公開中)

また同イベントで宇都宮けんじも指摘したように、開催の強行/延期/中止にかかわらず、当初の予定を大きくオーバーした、総経費3兆円を超えるオリンピック支出についての検証と責任追及は必ず行われなければなりません。その責任の主体となるのが、東京五輪の運営、そしてスポンサー関連事業を行う東京五輪組織委員会です。同委員会は、東京都とJOCにより発足した公益財団法人でありながら、民間法人としての形も取っているため、不明な費用概算や、スポンサー収入の使途などに対する情報開示請求ができないという問題も本間さんが指摘しています。

五輪開催地立候補時点で日本がIOCに提出した立候補ファイルには、組織委が資金不足に陥った場合に補塡するのは都で、都が担えない場合に政府が補塡すると明記されています。それを根拠に、5月21日には、丸川珠代五輪担当相が、東京五輪中止や無観客開催になった場合の組織委の損失補填はまず都が行うべきである旨を発言しています。東京五輪がこのまま強行されても中止になっても、その莫大な損失を補填する責任は東京都が負うのです。

国や東京都にオリンピック・パラリンピックの開催中止を決断するべきなのは言うまでもないことですが、問題はそこで終わりではありません。むしろここをスタートラインとして、東京オリンピック・パラリンピックを巡るさまざまな不正や問題点を明らかにしていく必要があります。希望のまち東京をつくる会でも、この問題については引き続き注視していく所存です。